今回のビジネスマナーは、通信会社勤務の野村玲香さん(仮名・28歳)から届いた相談です。

「毎年、お花見シーズンになると気が重いです。部署主催で野外のお花見が開催されるのですが、お酒の席は苦手だし、外は寒いし、正直楽しくありません。花粉症でもあるので、とにかく外出したくないという気持ちもあります。一応、有志のみということになっているのですが、新入社員でもないし、これ以上深める親睦もないような……。そろそろ断ってもいいでしょうか」

行きたくないという本心と、参加したほうがいいんだろうなという社会的な気持ち……。揺れますね。鈴木真理子先生に伺ってみましょう。

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 有志参加型なら、出欠は自分で決めてOK

桜を観ながらお酒を飲むのが好きな人にとって、部署のお花見は絶好のチャンスですね。毎年恒例の、楽しみな行事のひとつでしょう。

一方、寒いのに外でシートを敷いて、なんでお酒を飲まなきゃいけないのかと意味不明、ハッキリ言って行きたくない!という人もいますよね。

会社主催のお花見はアフター5や休日に行なわれることが多いもの。とはいえ、残業手当や休日出勤手当が出る類のものではありません。有志参加を謳ったものであれば、出欠は自分で決めてよいと思います。

ただし、行きたくないから参加しない、とほかの人にわざわざ言う必要はありません。少々マナー違反を感じます。他に約束を入れてしまったなど、やんわりと断るとよいでしょう。

「仕事」と割り切って参加するのも手

自分以外のメンバーは全員参加し、あなただけが欠席するという場合、周囲からあなたはチームワークが足りない人だと思われてしまう可能性もあります。花粉症で気の進まない外出をするのは本当に気の毒ですが、最初から行きませんと断るべきか、いったん立ち止まって考えてみてみましょう。

堅実女子なら全方位を見て、自分が損をしない言動をするようなさってください。

新入社員や若手社員は場所取りをしたり、飲食物を用意したりと、お花見の準備を通して気配りや段取りを学ぶわけです。その人たちを指導する役割も働く先輩としてのミッションのひとつ。ここは仕事のうちと割り切って、参加してみるのはどうでしょう。

準備と最初の1時間くらい同席して帰るつもりでいたら、丸く収まる気もしますよ。少しでも参加すれば、既成事実も作れるので、翌朝も気まずい思いをせずに、堂々と振る舞えると思います。

お酒臭い息でからむのだけはやめてください……。



■賢人のまとめ
準備をする新人を指導する役目もあります。準備から最初の1時間だけ参加して、退散するというのも手ですよ。

■プロフィール

女子マナーの賢人 鈴木真理子

三井海上(現・三井住友海上)退職後、“伝える”“話す”“書く”能力を磨き、ビジネスコミュニケーションのインストラクターとして独立。セミナー、企業研修などで3万人以上に指導を行う。著書は『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)のほか、近著『仕事のミスが激減する「手帳」「メモ」「ノート」術』(明日香出版社)、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』は7万部を超えるヒットとなる。 

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