ここ数年、外資企業による中国からの大量撤退を巡る予測や憶測が中国国内で日常的に見受けられるようになった。仮に「外資撤退ブーム」が真実だった時の中国の社会、経済に対する影響についても論じられているが、中国中央テレビ(CCTV)は25日、外資撤退によって4500万人が職を失う可能性があると報じた。(イメージ写真提供:123RF)

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 ここ数年、外資企業による中国からの大量撤退を巡る予測や憶測が中国国内で日常的に見受けられるようになった。仮に「外資撤退ブーム」が真実だった時の中国の社会、経済に対する影響についても論じられているが、中国中央テレビ(CCTV)は25日、外資撤退によって4500万人が職を失う可能性があると報じた。

 記事は、ここ2年で外資の中国撤退情報がしばしば明らかになるとしたうえで、「注目に値するのは、外資による固定資産投資の急減だ」と説明。国家統計局のデータで、2016年の外資による固定資産投資額が5年前に比べて60%以上減少したと伝えている。また、16日に商務部が発表したデータによると、今年1月における外資の直接投資額が120億米ドル(約1兆3500億円)と前年同期比で14.73%減少したことが分かり、「外資撤退ブーム説」が改めて盛り上がりを見せたとした。

 そして、中国当局の計算によるとすべての外資企業が中国で直接的に創出している雇用数は4500万人に上ると紹介。「外資が続々と撤退すれば、巨大な就業者層の生計に影響を及ぼすことになる」と伝えた。

 記事はさらに、外資が中国から撤退しうる要因として「地価高騰などによる生産コストの上昇、収益率低下」、「外資参入のハードル上昇、優遇政策の取り消し」、「物価の上昇に伴う、労働コストの高騰」、「外資企業自身の経営不振による戦略転換」の4点を挙げて説明。「われわれ1人1人が、ある日突然失業したらどうするかということを、しっかり考えればいけないかもしれない」としている。

 「世界の工場」としての魅力は薄れたが、世界屈指の潜在力を秘めた中国市場を前にすべての外資企業が一気に撤退することは考えにくく、4500万人の職が失われる可能性があるとするのはいささかオーバーだ。しかし一方で、中国国内で経済モデルの転換が進み、これに伴い方針転換する外資企業があるのも確かだ。変化に対する心構えを持っておくという点では、記事の呼びかけも間違ってはいないのではないだろうか。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)