1

「回転翼」ではなく「回転磁石」によって空中浮遊するクアッドコプターが生み出されました。この仕組みは時速1200kmで走る「ハイパーループ構想」にも用いられているもので、高く飛ぶわけではないものの、浮かんだ状態でしっかりと安定していることがわかります。

Electromagnetic Levitation Quadcopter - YouTube

とても浮かぶとは思えない形状の、機械ともなんとも表現しづらい物体。重さは47.6kgもあります。頑張って持ち上げているのはハイパーループのCasey Handmer氏。



天板のような板の下部に設置されている4つの黒い塊はモーター。



モーターの先端、床に近いところには磁石が設置されていて、回転するようになっています。



電源を接続すると……



磁石が回転し、物体が浮かび始めました。



上から押さえつけても着地することはありません。回転翼がないのでクアッドコプターという表現から離れているような気もしますが、4つの回転磁石の力で浮かんでいます。



これは、磁石を銅製の筒の中に落としたとき落下速度が遅くなるのと同じ仕組みを利用しています。





回転体の中には磁石がいくつも設置されていて、台の上に敷かれた銅板に渦電流が生まれます。



回転数が十分であれば、この反発作用によって、空中浮遊が実現します。



ちなみに、このとき銅板は熱を帯びます。この仕組みを利用したのが電磁調理器です。



こちらは、磁石が固定されていて、その上に良導体であるアルミニウムの板を置いたときのもの。



浮かぶ力は強く、重りを置いてもなお浮かんでいます。このとき、アルミニウム板の温度は、水をかけると水蒸気に変わってしまうほどに熱くなっています。



これが浮上に利用されている回転磁石。



しかし、単純に磁石を並べて回転させても、浮上するだけの力を生み出すことはできません。



ハルバッハ配列(ハルバック配列)で磁場強度を最大化すればOK。



設置されている磁石は12個



ハルバッハ配列で、それぞれの磁極の向きはこのようになっています。



この磁気浮上の仕組みは鉄道技術としての利用も考えられていて、実際に2005年の愛知万博の際にはリニモとして営業が行われました。ハイパーループも、同じ仕組みの応用が考えられています。