「クリミナル・マインド 国際捜査班」にゲスト出演する小澤征悦

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WOWOWプライムにて放送中の「クリミナル・マインド 国際捜査班」(毎週火曜夜11:00-11:55ほか)は、人気ドラマ「クリミナル・マインド」のスピンオフシリーズ。国境を越えて犯罪を追う、FBI国際犯罪特別捜査班(IRT)の活躍を描いている。

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そんな本作の第4話(3月7日放送)では、日本を舞台にストーリーが展開。アメリカ人連続自殺事件の捜査で来日したIRTメンバーをサポートする警視庁の刑事役で、小澤征悦がゲスト出演する。

海外ドラマデビューを果たした小澤に、共演者とのエピソードや海外ドラマならではの貴重な経験について聞いた。

──出演の経緯をお聞かせください。

実は、オーディションに受かって出演した映画「JUKAI─樹海─」(原題:The Forest)のプロデューサーの方に、「今度、知り合いのプロデューサーさんに紹介するよ」と言われていたんです。

その後日本に戻って、映画「ディズニーネイチャー/クマの親子の物語」('15年)の日本語版のナレーションをさせていただいたのですが、その時もディズニーの方から「海外のプロデューサーさんが日本の役者を探しているから、紹介させてくれ」と言われまして。

お名前を聞いたら「JUKAI」の時に名前が挙がったプロデューサーさんと同じグループの方だったんです。

それで、ロサンゼルスに行った時に紹介してもらって、今回の出演につながりました。「自分とはこういう人間だ」というのをお話したら、「じゃあ今度(「クリミナル・マインド─」を)撮るから」と言われて。人の縁って、大事ですよね。

──日本と海外とでは、作品作りに違いを感じましたか?

基本的には一緒だと思うんです。撮影初日はすごく緊張しましたが、「僕が日本の役者として19年くらいやってきたことと一緒なんだ」とすぐに気付きましたね。安心感を得ました。

ただ、もちろん細かい部分に違いはあります。撮影現場に巨大なトレーラーが来るんですが、“衣装のトレーラー”とか“メークのトレーラー”に分かれていて、中に入ると鏡張りになっているんです。“トイレのトレーラー”は、ぜひ日本でも導入してほしいですね。

どんなに辺ぴな地に行っても、ホテルのお手洗いのようなものを使えるんですよ! 輸入したら、もうかるんじゃないかな(笑)。

──今回共演された中で、印象に残っている方はどなたですか?

皆さん素晴らしい俳優さんたちですが、やはり(主演の)ゲーリー・シニーズがみんなをまとめていましたね。初めてお会いした時には、「『フォレスト・ガンプ/一期一会』の人だ!」と感動しました。

実際に話してみるとフランクで、「自分は銀幕のスターだ」という感じは全くしない人でした。

──他にはいかがですか?

ダニエル・ヘニーとは、よく飲みに行きましたよ(笑)。言葉で表現しづらいんですが、彼とは話しているうちに、人間の“芯の部分”が僕と似ているなと感じたんです。ダニエルには韓国の血が流れているので、「先輩を立てる」という文化からの意識が強いみたいなんですが、よく「兄貴、兄貴!」「飯行こう!」「飲みに行こう!」と言われました。

僕の方が2、3歳年上だったんです。でも僕はロスのお店をあまり知らないので、内心ではダニエルを“兄貴”と思いながら、いろいろな所へ連れて行ってもらいましたね(笑)。

2週間ちょっとの撮影期間で、彼とは芝居でのやりとりも変わりました。最後のシーンで僕らは握手を交わすのですが、そこはダニエルや監督と話し合って追加したところなんです。2人は協力し合って捜査をして、最後には国の垣根を越えたということを表現しようと思いました。

──小澤さんは'16年に映画「JUKAI─樹海─」でハリウッドデビューされましたが、海外進出のきっかけを教えてください。

自分が初めて芝居に触れたのは21歳のころで、ボストン大学に1年間留学していた時だったんです。英語のための留学だったんですけど、昔から映画が好きだったので、映画を撮る勉強もしました。その流れで芝居の勉強を始めて、今の仕事につながったんです。なので、海外への夢というか、海外の役者業という世界もあるんだよなということは、ずっと心の中にありました。

とは言え、まずはベースとなるものを作らないといけなかったので、日本でがむしゃらにやって。それで30代半ばになった時に、海外の作品にチャレンジしてもいいんじゃないかということになりました。今は世界がどんどん狭くなって、簡単に情報も手に入りますからね。実は「JUKAI」の前に、何度もオーディションを受けて、何回も落ちているんです。そういうことを経てハリウッドデビューをして、今回のドラマ作品があるわけなので、「ローマは一日にして成らず」という感じでしょうか?

──今回、吹き替え版ではご自身の英語のセリフを日本語に吹き替えていますが、いかがでしたか?

英語と日本語ではセリフの長さが違いますし、抑揚も違いますからね。片耳に付けたイヤホンから自分の英語のセリフが聞こえてきて、それに日本語のセリフをかぶせていくのですが、元の声がものすごく耳障りなんです(笑)。初めての体験でしたね。

僕は自分が吹き替えをする時には、周りのセリフも日本語になっていると思い込んでいました。でも、いざアフレコに行ったら、収録は僕が最初ですと言われて(笑)。撮影時には周りの人と同じように英語で喋っていたのに、今度は英語のセリフに日本語で返さなくちゃいけない。すごく難しかったです。

──ところで、劇中には「自殺は日本の文化の一つだ」というセリフが出てきます。日本人の感覚とは少しずれているかなと思うのですが、小澤さんはどう感じられましたか?

そのセリフは、僕も言いたくはなかったんですけどね…。でも一役者として、僕はそれに意見する立場ではないと思いました。僕たちだって、海外の文化について勘違いしていることはたくさんありますからね。そこは割り切って、「頑張ろう」って(笑)。

今回の作品で描かれていることは、「本当の日本人とはちょっと違うんだけどな」と思うところはあっても、決して全てがうそではないですから。「富士の樹海」だったり、「うば捨て」の文化だったり。

一つの面を切り取っていると捉えていただけたらと思います。作品としては、すごく面白くなっています。

──樹海のシーンは、どこで撮影されたのですか?

ロスの住宅街にある公園です。日本人街もあるので、撮影は全部ロスでした。築地のシーンも、セットを作っていましたしね。何でも作っちゃうんです。

劇中でチームが移動に使う飛行機は、後ろ半分を作っています。実際に動くんですよ。それ一つで7000万円と聞きました。そういう点でも、恵まれた環境で参加させてもらえたなと思いますね。

ただ、7000万円なのに結構滑るんですよ。そこはもう少し、どうにかしてほしかったかな(笑)。

──今後はどのような作品にチャレンジしたいですか?

難しいですね…。役者というのは、とにかく人や作品との縁が大事なので。超モテモテのエリートマンの役もやってみたいし、殺人鬼もやってみたい。もっと年齢を重ねたら、孫をかわいがるすてきなおじいさんの役もやってみたい。チャレンジしたい役はたくさんあるんです。

一度、心が女性である男性を研究したことがあります。指先や肩、顎など体の“末端”の仕草を意識すると、途端にそう見えてくるんですよね。そうやっていろんなことに興味を持っているのは、面白いことだと思います。