ニューヨークで上映された映画『君の名は。』
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 現在、開催中のニューヨーク・インターナショナル・チルドレンズ・フィルム・フェスティバルで、新海誠監督作『君の名は。』が上映された。同映画に対するアメリカ人の反応を、2月26日(現地時間)ニューヨークのSVAシアターで聞いた。

 今作の鑑賞のため90マイル(144km)離れた場所から訪れたというグウェン・グルーコックさんは「スケッチと色使いが素晴らしかったわ。特に詳細に描かれた田舎町の絵は、とても美しかった。わたしたちは、ニューヨークから90マイル以上離れた場所に住んでいて、ネット以外で外国映画を鑑賞する機会はあまりないけれど、子供に他国の文化をもっと学ばせるためには、頻繁にニューヨークに来るべきだと思わせてくれた」と語ると、娘のミランダちゃんは、「わたしが良く観ていたアニメは『ポケモン』シリーズだけれど、これほど感情的なアニメ作品を観たことがなかった」と興奮気味に話した。

 次にキャサリン・オギルイさんは「成熟したアニメに思えたわ。精神的なテーマ、タイムトラベルのアイデア、永遠のテーマである愛と人間性も描いていて、子供たちにとって、深い問題になったと思う」と満足げに語った。一方、キャサリンさんの息子のナサニエルくんは「この物語がとても好きだよ。コンセプトも面白いと思ったし、時空を超えた二人にお互いの記憶があるという設定は、アメリカのアニメ作品で観たことがなかった。とてもうまくストーリーが構成されている」と真剣なまなざしで答えた。

 子供にスタジオジブリの全作品を見せているというジョナサン・ノリス・ハワードさんは「アメリカのアニメスタイルとは随分異なると思う。特に思ったのは、ストーリー展開の違いで、アメリカのアニメの場合は、最初からさまざまな情報を子供たちに植え付けるし、アクションの展開も速い。今作はタイムトラベルなどの要素もあるが、時間をかけて主役の瀧と三葉のキャラクターを観客に見せている。ディズニーやドリームワークスのアニメには、個性を生かしながらもグループの大切さを訴える、というような理想の形があるけれど、今作は、キャラクターがそのままの姿で描かれていた」と分析した。さらに娘のイザベルちゃんは「キャラクターの面白さに惹(ひ)かれました。絵がとても細かくて、どれだけ時間をかけたか想像もできなかったわ。まるで本を読んでいるみたいに、キャラクターに入り込めた」と笑顔で話した。(取材・文:細木信宏/Nobuhiro Hosoki)