非正規労働者が増えつつあるなか、正社員と非正社員の待遇に差があるという職場も多いのではないか。

2月24日、「非正規はエレベーターを使ってはいけない」といった差別があるという投稿がツイッターに寄せられた。トゥギャッターでもまとめられて話題になっている。

「正社員と非正規の"差別"って、福利厚生がとか社保がとかいうレベルでなくて、『非正規はエレベーターを使ってはいけない』とか『非正規は取締役に挨拶してはいけない』とかいう形で、びっくりするような新たな身分制度文化を形成しつつあるよね」

「電気代節約」という名目で使用禁止 → 数年後に倒産した会社も

正社員以外はエレベーターを使ってはならないという職場はそれほど珍しくないようだ。

「『バイトはエレベーターを使ってはならない』というルール、うちの職場に実際にある。一度使ってるのを見つかって、親会社の社員さんにそれからネチネチと小言を言われるようになったんだけど幼稚だなぁと思っている」

「『派遣はエレベーター使用禁止』でしたね…」という人もいた。その人は、「確かその時電気代節約とか何とか言われた気がする」というが、派遣社員にエレベーターの使用を禁止して節約できる電気代とはどの程度のものなのかかなり疑問だ。「辞めて数年後にはその会社潰れてましたけども」と書き込みにもあるが、その程度の電気代を節約しなければならない会社の方が問題だろう。

とある運送会社の倉庫で働いていたという人も「派遣の癖にエレベーター使うんじゃねえと怒鳴られたなあ」と投稿している。

こうした職場の実態に対して、「こんなガキみたいなことしている企業があるのか(困惑」「江戸時代かよw」「正規社員は貴族かよ」といった戸惑いの声が寄せられていた。

エレベーター使用の差別だけでなく、社食利用の差別なども法律違反の可能性

法律的にはどうなっているのだろうか。日本労働弁護団の佐々木亮弁護士によると、エレベーターの利用禁止は労働契約法に違反する可能性があるという。

「労働契約法20条では、有期契約労働者と無期契約労働者との間で、不合理に労働条件を相違させることを禁止しています。合理的な理由がない限りは、賃金や労働時間などの狭義の労働条件だけでなく、通勤手当・食堂の利用などの待遇面でも差別をしてはいけません」

そのため、正当な理由がない限り、有期契約の従業員にエレベーターを利用させないというのは労働契約法に抵触する恐れもあると考えられる。

また直接雇用ではない、派遣社員についても同様だ。

「いわゆる『派遣法』の40条では、『当該派遣先に雇用される労働者に対して利用の機会を与える福利厚生施設であって(中略)は、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者に対しても、利用の機会を与えるように配慮しなければならない』とあります。つまり派遣労働者も正社員と同じように福利厚生施設を利用できるように配慮する必要があるのです」

そのため何か特別な理由がない限りは、派遣社員にもエレベーターの利用を認めるよう配慮しなければならないのだ。

とはいえ、法律に抵触するかどうかにかかわらず、非正社員も職場の一員。双方が気持ちよく働けるよう、無意味な差別はなくしていきたいものだ。