ギズモード・ジャパンより転載:古いものには、福がある?

買ってからしばらく冷蔵庫に放置したパンを食べると、がん予防になるかもしれないそうですよ。

オーストラリア・ロイヤルメルボルン工科大学(RMIT)の化学者がFood Chemistryに発表した研究によると、パンをさまざまな温度で一週間ぐらい保存してデンプンの結晶化を調べたところ、もっとも結晶化が進んだのは約3℃で冷やしたパンだったそうです。冷蔵庫のたまごや牛乳なんかを入れておく冷蔵室ぐらいの温度ですね。

デンプンは結晶化するとレジスタントスターチに変わります。食べても人の小腸では消化されにくい構造なので、そのまま大腸へと進み、腸内菌のエサになります。レジスタントスターチをたらふく食べた腸内菌は酪酸やプロピオン酸などの体によい化学物質をせっせと作り出し、PLOSに掲載されている研究によると、肥満を予防したりホルモン分泌を促して腸内環境を整えたりすることがわかっています。さらにTrends in Food Science & Technology掲載の研究では、大腸の粘膜細胞を健全に保ち、がんにつながる恐れのある細胞分裂の連鎖を止めたり減らしたりすることが解明されており、結腸がんの予防に役立つ可能性が指摘されています。

レジスタントスターチは食べてもエネルギーになりにくく、血糖値も上がりにくいのでダイエットに最適!と一時期日本でも話題になりましたね。冷やごはん、冷製パスタ、ポテトサラダなど、冷たいままいただくとデンプンが結晶化されたまま体に入るので、体にとってよりよい効果が期待できるようです。若い緑色のバナナ、玄米、全粒粉パンなどもレジスタントスターチが含まれているそうなので、わざわざ食パンを買ってきてカピカピにするよりおいしくいただけそうです。

国立がん研究センターがまとめた「がん情報サービス」によると、日本人はS状結腸がんと直腸がんになりやすいそうです。大腸がんにかかる割合は40歳代から増加し始め、50歳代で加速され、高齢になるほど高くなります。

カピカピになったそのパン、ぜひ捨てないでください。飢餓で苦しんでいる人のため、そしてせっせと働くあなたの腸内菌のために、貴重な食べ物かもしれませんから。


image: William R. Sullivan / RMIT University
source: Food Chemistry,PLOS, Trends in Food Science & Technology, 国立がん研究センター
参考: Wikipedia, 日本テレビ

Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US[原文]
(山田ちとら)