中国レノボ・グループ(聯想集団)傘下の米モトローラ・モビリティはこのほど、同社のスマートフォンに米アマゾン・ドットコムのAI(人工知能)音声アシスタント「Alexa」を導入すると発表した。

モトローラがアマゾンのAlexa採用

 まずは昨年発売した「Moto Z」シリーズで、Alexa用の拡張モジュールを用意する。その後は、モトローラ製の他のスマートフォンでもAlexaを利用できるようにするという。

 Moto Zは一風変わったスマートフォンで、スマートフォン本体背面にマグネットで装着するパネル型モジュールを利用できるのが特徴だ。モトローラはこれを「Moto Mod」と呼んでいるが、それにはいくつかの種類があり、例えばズームレンズ付きデジタルカメラのMoto Modや、高音質スピーカーを搭載したMoto Modなどがある。

 今回の発表によると、モトローラはこれにアマゾンのAlexa用モジュール「Alexa Moto Mod」を追加し、Moto Zの利用者が音声命令で、日常のさまざまな用を済ませられるようにするという。

 例えば、スマートフォンに話しかけるだけで、最新のニュースを確認したり、ショッピングリストに商品を追加したりすることができ、職場から帰宅する際には、自宅のエアコンのスイッチを入れることも可能になると、モトローラは説明している。

 同社はこのモジュールの発売時期を明らかにしていないが、今年中にもこれらの機能が利用できるようになり、さらに年内に同社の他のスマートフォンにもAlexaを統合するとしている。

 Alexaは、アマゾンが米国、英国、ドイツで販売しているスピーカー型アシスタント機器「Echo」シリーズや、映像配信端末「Fire TV」シリーズで利用できるアシスタントサービスだが、これまでは、主にこれらのアマゾン製品以外では利用できなかった。

 そうした中、ここ最近は大手メーカーが相次いでアマゾンとの提携を発表。自社製品にAlexaを導入する計画を明らかにしている。

 例えば、モトローラの親会社であるレノボは今年1月、アマゾンのEchoに似た、Alexa対応の円筒型スピーカー機器を5月に発売すると発表した。

 また出荷台数ベースで世界3位のスマートフォンメーカー、中国ファーウェイ(華為技術)も同じく1月に、旗艦モデル「Mate 9」の米国モデルでAlexaを採用すると発表した。

グーグル、Androidで自社サービス拡大へ

 こうしたAIを利用した音声アシスタントサービスは、米アップルが2011年に「iPhone 4S」を市場投入した際に「Siri」の提供を開始し、一気に広まった。しかし最近はアマゾンなどの他のテクノロジー企業がこの分野に参入し、市場競争が激化してきた。

 例えば、米グーグルは昨年11月に、スピーカー型の音声アシスタント機器「Google Home」を発売した。この機器で利用できるアシスタントサービスは「Google Assistant」と言い、グーグルはこれを同社のAndroidスマートフォン「Pixel」やメッセージングアプリ「Google Allo」、ウエアラブル機器向けOS「Android Wear」などに展開している。

 さらに、グーグルは、今回のモトローラの発表とタイミングを同じくして、Google Assistantを、一昨年に公開したOS「Android 6.0」以降を搭載するスマートフォンで利用可能にすると発表した。

 米国の市場調査会社IDCの統計によると、世界のスマートフォン市場では、Android搭載端末の出荷台数シェアが85%を占める。このことから、今後はグーグルの音声アシスタントが一気に普及するのではないかと見られている。

アマゾン、Alexaのサービス/機能が1万種を突破

 なお、アマゾンはすでにスマートフォン市場から撤退しているが、AIアシスタントの分野では強みを持つ。同社は先ごろ、Alexaで利用できるサービス/機能の種類が1万種類を超えたと発表した。

 同社は2015年6月にAlexaの仕組みを外部企業に公開した。それ以降、Alexaを利用し、自社のサービスを開発、展開する企業が増え続けているという。

 なお米ベンチャービートによると、Google Assistantのサービス/機能の数はまだ100を超えていない。アマゾンのAlexaは、サービスの種類で圧倒的首位に立っていると、ベンチャービートは伝えている。

筆者:小久保 重信