初のウズベキスタン人のJリーガー、ムサエフが開幕のC大阪戦でデビューを果たす。守備面でさっそく持ち味を発揮した。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1リーグ開幕戦] セレッソ大阪 0-0 ジュビロ磐田/2月25日/ヤンマースタジアム

 ウズベキスタン代表のMFムサエフが2月24日のC大阪戦でJリーグデビューを果たした。川辺駿とボランチコンビを組んで先発すると、相手がボールを持った際の球際で強さを発揮。トップ下の中村俊輔を後方支援する役割もこなしフル出場した。
 
 ボールに触れられるかどうかギリギリのところで身体を投げ出してマイボールにし、獲物を仕留めるように果敢にスライディングタックルを仕掛ける。まさに磐田が欲していたクラッシャータイプ。さっそく随所で、危機察知能力の高さを発揮した。
 
 一方、攻撃面ではミスパスもあり、前線のタレントを引き出す仕事は限られた。名波監督も「俊輔が落ちてきた時、ムサエフ、川辺、太田( 吉彰)、アダイウトンはもちろん、周りの選手が川又(堅碁)との連動性を高めていければ、もう少し、ゴール前でのシーンも増えるのではないかと思う」と課題を挙げていた。
 
 183センチ・75舛28歳。ナサフ・カルシやイランのセパハンなどで活躍し、ウズベキスタン代表として20試合に出場している。ブニョドコル時代の13年には、ACLグループリーグで広島と対戦して、ゴールを決めている(2-0で勝利)。
 
 史上初のウズベキスタン人のJリーガーだ。まだコミュニケーション面に課題を抱えており、英語と日本語を猛勉強中。ただ、昨冬の政権交代などによる影響でビザ発給に時間がかかりチームへの合流が送れたものの、持ち前の明るさと勤勉さでカバー。
 
 トレーニングや練習試合を真面目にこなすなかで徐々に持ち味を発揮し、しっかり開幕に合わせベストコンディションを整えてきた。これからさらにチームにフィットし、連係面が高まれば、川又、中村、そしてムサエフ、大井という質実剛健のセンターラインができそうだ。伸びしろはかなりある、と言える。
 
「もっと、いろんな面で高めることが必要です。ディフェンスはまずまずだったけれども、攻撃面ももっと良くできるはずです」
 
  試合後、ムサエフはそう語り、決して満足していなかった。
 
 ただ、トップ下-ボランチと縦に並んだ中村とのバランスについては、「僕にとっても、ずっと以前から知っているベストプレーヤー。ボールを受けるのも上手いし、連係面は問題ありません」と、手応えを得ていた。
 
 試合終盤には決定的な場面が訪れたものの、左足で放ったミドルは惜しくも枠を外れてしまった。
 
「逆足になってしまい、惜しかった。でもトライしていきます。(J1でできるという)ある程度、手応えは掴めました」
 
 そう優しく笑みをこぼした。

 ムサエフのような汗かき役がチームに不可欠なのは間違いない。ある意味、磐田にとって新戦力の中では、中村以上に鍵を握っている存在と言えるかもしれない。
 
 
取材・文:塚越始 (サッカーダイジェスト編集部)