同性婚の合法化と10代の若者の自殺率に明確な相関関係が認められるという調査結果が米国医師会誌(小児科学)で発表されました。

State Same-Sex Marriage Policies and Adolescent Suicide Attempts | Adolescent Medicine | JAMA Pediatrics | The JAMA Network

http://jamanetwork.com/journals/jamapediatrics/fullarticle/2604258

Same-sex marriage laws may decrease teen suicide attempt rates, says study - CNN.com

http://edition.cnn.com/2017/02/22/health/teen-suicide-same-sex-marriage-study-trnd/

ジョンズ・ホプキンス大学のジュリアン・ライフマン博士の研究グループが、同性婚が合法化されたアメリカの州とそうでない州について比較することで、同性婚が合法化された州では、ゲイ・レズビアン・バイセクシュアルなどのLGBT(性的少数者)の自殺率・自殺未遂率が減少したことが確認されたと発表しました。

調査では1999年から2015年の間に各州で報告された自殺未遂の結果について、同性婚が合法化された32州と合法化されていない15州の合計47州について比較しました。自殺を引き起こす原因が州ごとに異なることから、研究では州間での自殺率を直接比較するのではなく、同性婚が合法化される前後での自殺未遂率の変化を比較しています。

なお、LGBTの学生とそうでない学生(ストレートな学生)を比較すると、同性婚が合法化される以前には、自殺を計画したことがある学生の割合は、ストレートな学生が8.6%だったのに対してLGBTの学生は28.5%と大きく差があり、LGBTの学生が自殺を試みやすいことがわかっています。



調査では同性婚が合法化された州では、合法化の前後でLGBTの若者の自殺未遂率が14%減少し、学生全体でも7%も減少することがわかりました。これに対して同性婚が合法化されていない州では、自殺未遂率は変化がなかったとのこと。このことから、同性婚の合法化は、若者の自殺を試みる衝動に大きな影響を与えると推察されています。

同性婚が合法化されることで若者の自殺率が減少した原因について、ライフマン博士は「同性婚が認められることで、性的マイノリティの人に対する社会の『レッテル貼り』が減少することが考えられます。同性婚を認めないという政策は、性的マイノリティを『異質な者』と分類し、結婚できないことで法的・経済的な利益を否定するものです。同性婚が認められる社会では、たとえ結婚する権利をすぐに行使する予定がなくても、学生たちの後ろめたさが減り、将来に対する希望が増えることにつながります」と自身の見解を明らかにしています。



今回の調査結果、同性婚を認めることと若者の自殺率の低減に強い相関関係が見られることを示すものですが、因果関係などの解明のためにさらに研究する必要があるとのこと。アメリカの若者の死因の第2位となる自殺を防ぐ予防策として、同性婚のありかたについてはさらに議論が進む可能性がありそうです。なお、2015年にアメリカの最高裁は「同性婚の権利」を認める判断を示しており、今回の研究結果は、同性婚を認める州が今後も増えるきっかけになる可能性があります。