安倍晋三公式サイトより

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 本日も国会で学校法人森友学園との関係を追及された安倍首相。疑惑を晴らしたいのであれば本格的な調査の指示をはっきりすればいいのに、その答弁は「印象操作だ!」「レッテル貼りだ!」の一辺倒。逆に怪しさは増していくばかりだ。

 しかし、その怪しさを覆い隠そうとするのがメディアだ。きょうはなぜか国会の模様がテレビで中継されなかった。しかも、きょうの衆院予算委員会は、予算の締めくくり質疑の日。2015年も2016年も衆院予算委の締めくくり質疑の模様をNHKは中継しているが、過去最大となる約97兆円の新年度予算が採決されるきょう、NHKは中継をおこなわなかったのである。

 もちろん、NHKが中継しなかったのには理由がある。事実、本日質疑に立った共産党の高橋千鶴子議員はTwitterで「TV中継を与党が拒否した」と述べているのだ。先週17日の答弁で安倍首相は「まるで私が関与しているかのごとく、ずーっとそういうイメージ操作を予算委員会のテレビ付き質問を使って延々繰り返している!」とがなり立てたが、今度はテレビ中継をシャットアウトしてしまったのだ。

 だが、問題はNHKの忖度体質のほうだろう。実際、NHKはこの森友学園問題をニュースで取り上げても、「『総理も昭恵夫人も学校設置認可や国有地売却に一切関与していない』と述べた」だの「麻生財務相は『適正な手続きで処分をおこなったと承知している』と述べた」だのと、国会での一方的な答弁を紹介して問題を小さく扱ってきたからだ。

 しかし、その一方で、民放の風向きは変わりつつある。とくに全国ネットでは、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)と『白熱ライブ ビビット』(TBS)を除いてほぼ沈黙してきたワイドショーも、きょうになって森友学園問題の追及を開始。『とくダネ!』『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ)、『ひるおび!』(TBS)、『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)がそれぞれ問題を取り上げた。

 だが、番組によっても温度差があった。たとえば『グッディ!』では国有地の不当取引とともに塚本幼稚園の教育内容にも踏み込み、運動会の選手宣誓で園児が「安倍首相ガンバレ! 安保法制国会通過よかったです!」と言わされ、保護者に対して憲法改正賛同の署名をおこなっていたことも伝えたが、『ひるおび!』ではこういった塚本幼稚園における異常な教育方針や虐待問題、差別体質へのアプローチはまったくなかった。

 そして、とくに醜かったのは、同番組にコメンテーターとして出演した田崎史郎・時事通信社特別解説委員だ。

 他のコメンテーターたちから森友学園に対する国有地売却は「異例すぎる」と声があがるなかで、田崎は「理事長の個性の問題もある」などと言い、「総理と昭恵夫人がどれくらい悪いかって問題と、あの、理事長さんってどういう方なのかな?って疑問と両方あるんですよ。どっちかっていうと理事長はどういう方だろうなって関心もちますよね」と籠池泰典理事長に問題を転嫁しようと必死になった。

 こうした田崎に対し、政治評論家の伊藤惇夫は「安倍総理と夫人が関与しているようにまわりから見えたのは事実」「(取引に夫妻が)影響を与えたのなら倫理的な責任がある」と追及すると、すかさず田崎はこう言った。

「総理大臣となりますと利用してやろうという人はいっぱい集まってくるわけですね。総理やご夫人が知らないあいだにおこなわれている場合もあるんで」

 何を馬鹿な。「知らないあいだに」利用されたのではなく、実際に昭恵夫人は何度も塚本幼稚園を訪れて感銘を受け、その結果、名誉校長に就任したし、安倍首相も一度は講演会を引き受け、国会でも「私の考え方に非常に共鳴している方」「妻から森友学園の先生の教育に対する熱意は素晴らしいという話を聞いている」と話していたではないか。だが、田崎は「夫人はホームページに利用された」「名誉校長というのはまだ決まっていないわけで」「すべて結びつけるのはね、はたして正しいのかなと思いますね」などと最後まで安倍首相を露骨に庇い続けたのだった。

 実際、他の報道番組では森友学園を取り上げてきたTBSにあって、『ひるおび!』がきょうのきょうまで森友学園問題を報じなかったのも、田崎の意見に引き擦られてきた結果だと番組関係者は言う。

「ずっと田崎さんが『こんな話は取り上げる必要はないですよ』と主張してきて、制作サイドもそういう空気になっていたんですが、"森友学園をやると数字がいいらしい"ということがわかってやることになった。そのかわりに、田崎さんに露骨に擁護させたということでしょう」

 NHKはこれからも問題の広がりを封じ込めようとするだろうし、田崎のような御用ジャーナリストが問題の矮小化に必死になるだろう。今後、疑惑が明らかになるかどうかは、そうした応援団の妨害を超えて、メディアや野党がさらに厳しい追及をできるか、にかかっている。
(編集部)