カメラと写真映像のイベントCP+2017が、2月23日〜24日にかけてパシフィコ横浜で開催された。今年も見どころ満載だった本イベントだが、特に注目は一眼レフやミラーレス用の交換レンズが数多く出品されたこと。今回は、各社の技術の粋が詰め込まれた神レンズ7本を紹介しよう。

 

1. ボケがすごい! ソニー「FE 100mm F2.8 STF GM OSS」

↑ソニー「FE 100mm F2.8 STF GM OSS」。フルサイズをカバーするEマウントレンズ。AFに対応し、レンズ内手ブレ補正も内蔵している

 

レンズ内に「アポダイゼーション(APD)光学エレメント」と呼ばれる特殊なフィルターを組み込むことで、理想的なボケを表現できる単焦点の中望遠レンズ。

 

特に、点光源をアウトフォーカスで捉えた際に生じる玉ボケの描写が美しい。一般的な玉ボケは濃度が均一でくっきりとした円形になるが、本レンズではボケの中央に芯を残しつつ、周辺に向かってなだらかにぼやけていく。しかもボケの一部が欠ける口径食も見られない。

↑レンズ前面から内部をのぞくと、中心部から周辺に向けて透過光量がなだらかに変化する「アポダイゼーション(APD)光学エレメント」が見える

 

この技術は、そもそもミノルタ時代に設計され、その後ソニーに継承されたレンズ「135mm F2.8 [T4.5] STF」に採用されており、プロや愛好家から長年、高い評価を得ていた。それがミラーレス用のAFレンズとして生まれ変わった、といってもいいだろう。発売は4月。希望小売価格は税別18万8,000円。

 

2. 手ブレ補正がすごい! タムロン「SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2(Model A025)」

↑タムロン「SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2(Model A025)」。手ブレ補正の駆動系パワーと制御性能を強化したことで、クラス最高の手ブレ補正効果を達成

 

タムロン「SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2(Model A025)」は、2012年に発売された「SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD(Model A009)」の後継モデル。フルサイズに対応した大口径の望遠ズームである。

 

このレンズがすごいのは、クラス最高なる5段分の手ブレ補正効果を実現したこと。補正モードは、ファインダー像がピタリと静止する「MODE1」と、流し撮り専用の「MODE2」、シャッターが切れる瞬間のみ補正を行う「MODE3」の3種類が用意。MODE3で補正効果は最も高くなる。

↑レンズ鏡胴部に、手ブレ補正のモード切換スイッチを装備。別売アクセサリー「TAP-in Console」を使用すれば、MODE1のカスタム設定も行える

 

さらに、リング型超音波モーターUSDによる高速AFや、超低屈折率のナノ構造膜とマルチコーティング技術を融合させた「eBANDコーティング」、三脚座との一体感が増した金属外装の新SPデザイン、防塵防滴対応なども見どころだ。発売は2月下旬。レンズマウントはキヤノン用とニコン用が用意され、希望小売価格は税別17万5,000円。

 

3. 明るさがすごい! シグマ「SIGMA 14mm F1.8 DG HSM」

↑シグマ「SIGMA 14mm F1.8 DG HSM」。発売日と価格は未定。キヤノン用、シグマ用、ニコン用が用意。CP+ではケース内での展示のみであった

 

描写性能を重視するシグマArtラインの新顔として、単焦点の超広角レンズ「14mm F1.8 DG HSM」が登場。このレンズですごいのは、焦点距離14mmのフルサイズ用レンズでは初めて、開放値F1.8という明るさを実現したこと。

 

明るい開放値とワイド画角の両立によって、広い範囲を捉えつつ、被写体の前後にボケを生み出す、といった従来にない表現が楽しめる。星空撮影など暗所で速いシャッター速度が必要なシーンでも役立つだろう。

 

同じくシグマの新製品として「SIGMA 135mm F1.8 DG HSM」にも注目したい。このレンズも開放値の明るさが魅力だ。唯一ではないものの、焦点距離135mmのフルサイズ用レンズでは珍しい開放値F1.8を実現。極めて浅い被写界深度によって、ボケの中に被写体が浮かび上がるような表現が味わえる。

↑シグマ「SIGMA 135mm F1.8 DG HSM」。発売日と価格は未定。キヤノン用、シグマ用、ニコン用を用意。こちらは、シグマブースでタッチ&トライができた

 

4. 接写がすごい! 中一光学「FREEWALKER 20mm F2 Super Macro」

↑中一光学「FREEWALKER 20mm F2 Super Macro」。マイクロフォーサーズ、ソニーA/E、富士フイルム、キヤノン、ニコン、ペンタックスの各マウント用が発売

 

焦点工房のブースでは、マウントアダプターなどのほかに、中国瀋陽の光学メーカー中一光学が手がける多彩な交換レンズ群を展示。なかでも目を引いたのは、新しいマクロレンズ「FREEWALKER 20mm F2 Super Macro」だ。

 

このレンズがすごいのは、顕微鏡の対物レンズのような外観を備え、撮影倍率4倍から4.5倍の超接写ができること。4.5倍といわれてもピンとこないかもしれないが、例えば10円玉なら表面にある「円」の文字を大写しにしたり、液晶モニターならRGBに分かれた画素を判別できるくらい拡大したりできる。そうした撮影サンプルは中一光学のサイトでも見ることができる。

 

5. 魚眼がすごい! インタニヤ「Entaniya Fisheye 250 MFT」

↑インタニヤ「Entaniya Fisheye 250 MFT」。焦点距離は、2.3mm、3.0mm、3.6mmの3製品から選べる

 

インタニヤのブースでは、同社の魚眼レンズ「Entaniya Fisheye 250 MFT」を展示。このレンズがすごいのは、一般的な魚眼レンズの画角180度を大きく超える、250度の視野角を持つこと。

 

その広い視野を生かしてワンカメラのワンショットで高画質VR映像を作成できるなど、撮影のしやすさと機動力の高さが魅力になっている。また、乗り物など前方に進むVRや、スポーツ観戦といった正面を見るのがメインのVRでは、360度ではなく250度のほうが適しているという。

 

製品には焦点距離とイメージサークルが異なる3タイプがあり、レンズマウントはマイクロフォーサーズに対応。EマウントとCマウント向けも用意される。価格は税別38万8,000円。

↑昨年末に発売されたマイクロフォーサーズマウントに加え、Eマウント用とCマウント用がまもなく登場。オプションでマウントを変更したり、イメージサークルサイズ(焦点距離)を変えたりもできる

 

6. マニュアルフォーカスがすごい! トキナー「FiRIN 20mm F2 FE MF」

↑トキナー「FiRIN 20mm F2 FE MF」。超広角20mmの焦点距離と開放値F2の大口径を兼ね備えている

 

ケンコー・トキナーのブースでは、単焦点レンズ「FiRIN 20mm F2 FE MF」が気になった。。ミラーレス向け高品位レンズのブランド「FiRIN」(フィリン)の第一弾となる製品だ。名称は「真実」を意味するアイルランド語の「Firinne」から来ており、トキナーが長年培ってきた光学技術を集結し、その場の雰囲気までを忠実に記録するという意味が込められている。

 

このレンズがすごいのは、オートフォーカスが当たり前である今の時代に、あえてマニュアルフォーカスにこだわったこと。同社としても原点に帰って、光学性能とマニュアルならではの操作感を重視したという。

 

滑らかなピントリングの感触からは、自分の手でカメラを操作しているという実感が味わえる。往年のカメラマニアなら懐かしい感覚を思い出せるし、若年層なら新鮮に感じるかもしれない。また女性ユーザーを意識して、あえてリングのトルクをやや軽めにしている点も興味深い。

↑絞りリングのクリックを解除して無段階の調整が可能となる「絞りデクリック機構」にも対応。レンズマウントはソニーEマウント。希望小売価格は税別10万8,000円

 

7. 価格がすごい! カールツァイス「Otus」シリーズ

↑左から「Otus 1.4/55」(税別42万5,000円)、「Otus 1.4/28」(税別62万9,000円)、「Otus 1.4/85」(税別49万円)。いずれもキヤノン用(ZE)とニコン用(ZF.2)が用意される

 

カールツァイスのブースでは、2月22日に新発売されたフルサイズ対応の一眼レフ用レンズ「Milvus」シリーズ3本などを展示。さらに、これまでに発売された数多く同社製レンズがズラリと並んでいた。

 

最新モデルではないが、ここでは特に同社ラインナップの最上位に位置する「Otus」シリーズの交換レンズ3本に注目したい。そのすごさは、ツァイスの膨大なノウハウを惜しみなく投入して実現した世界最高のクオリティだ。お金に糸目をつけず、画質を徹底追求したい人におすすめ。

↑キヤノン「EOS 5D Mark III」に装着した「Otus 1.4/55」。曲面が美しい金属製鏡胴であり、目立つ黄色い文字と青いツァイスのマークは高級品の証し

 

【番外編】完コピ度がすごい! YONGNUO 単焦点レンズ

中国の用品メーカーYONGNUOのブースでは、同社の主力製品であるストロボやラジオスレーブ、LEDライトに加え、近年力を注いでいる交換レンズ群を展示。35mm、50mm、100mmという単焦点のラインナップであり、マウントはキヤノン用やニコン用が用意されている。

↑外観デザインは日本製レンズにそっくりだ。これらはAmazonでも購入できる