ソニーの最強ハイエンドミラーレス一眼「α7R II」を徹底レビュー!

写真拡大 (全25枚)

ソニーのミラーレス一眼カメラ「α7R II」は、有効画素数約4240万画素の裏面照射型35mm判フルサイズイメージセンサーを搭載する、プロ及びハイアマチュアをターゲットにした本格派のカメラだ。

まず、そのスペックと外観を紹介する。

ソニーは2013年、ミラーレス一眼カメラにいち早く35mm判フルサイズセンサーを搭載した「α7」シリーズを発売。
スタンダードモデルと高画素モデルをラインナップさせ、「α7」は当時高価なイメージだった有効画素数約2430万画素の高画素35mm判フルサイズデジタルカメラを、手の届く価格帯で発売した。その影響力は、今も大きい。

もうひとつの高画素機「α7R」は画素数を約3640万画素まで上げ、さらにローパスフィルターレスによるリアル解像感を重視したモデルだ。

この2つのα7シリーズから始まり、高感度撮影に強い「α7S」、「α7S II」、ボディ内手ブレ補正を搭載し性能を向上した「α7 II」とラインナップを拡充してきた。


そして、高画素機であるα7Rの2世代目α7R IIは、有効画素数約4240万画素(7952 x 5304ドット!)にアップしつつ、裏面照射型のイメージセンサーで低ノイズ化を実現。ボディ内手ブレ補正や高速オートフォーカス「ファストハイブリッドAF」を搭載し、本格的な動体撮影にも対応した。
こうした性能向上に伴って、販売価格はオープン価格ながらソニーストアでは438,880円(税別)とグーンとアップした。

連写速度は秒間5コマ、巨大なファイルサイズとなるRAWデータでも連続撮影23コマの大容量バッファを搭載する。高画素機ながら高速AFと、レスポンスの良さを併せ持つ。

ISO感度は100〜25600、拡張ISO感度設定でISO50からISO102400まで設定可能だ。



露出などの操作系は、上面の露出モードダイヤルと独立した露出補正ダイヤル、そしてグリップ部分の電子ダイヤルと背面の電子ダイヤル、方向キーを兼ねたコントロールホイールがある。電子ビューファインダーを覗いたままで、露出制御や露出補正を直感的に行えるためカメラとの一体感がある。


背面モニターは3.0型のチルト式の可動タイプだが、タッチ操作には非対応だ。電子ビューファインダーは、視野率100%で倍率約0.78倍(50mmレンズ)と大きくて見やすい。


α7R IIは高画質な静止画撮影だけではなく、全画素読み出しによる高画質4K(3840×2160ドット)動画撮影に対応する。100MbpsのXAVC Sフォーマットによる記録と、本格的なS-Log2ガンマや広色域を持つS-Gamutに対応するなど、プロ向けの機材としても評価を得ている。

特に35mm判フルサイズ記録による4K撮影は、ボケの大きさを表現として使えるため撮影できる映像のバリエーションは多彩だ。また、フランジバックが短いミラーレスシステムであることからマウントアダプターを介して、様々なレンズで撮影できる点もα7R IIの魅力のひとつ。

α7R IIはコンパクトなボディに搭載された、驚きの高画質・高性能が魅力となっている。

○α7R IIの多彩な機能はどこまで万能なのか
次に、α7R IIの機能をチェックしてみたいと思う。

セルフタイマー、ドライブモード、ISO感度設定はコントロールホイールの左右ボタンに設定されている。ハイエンドのデジタルカメラとしては、ダイレクトに機能を呼び出すボタンが少ないように思うが、4つのカスタムボタンとコントロールホイールの下ボタン、中央ボタン、コントロールホイールの回転などに機能を割り当てることで補うことができる。



デフォルトではシャッターボタンそばのカスタムボタン1にホワイトバランス、カスタムボタン2にはフォーカスセットボタンが設定されている。
特に動画を撮る際には、場面ごとにしっかりとホワイトバランスを合わせておきたいので、ホワイトバランスをダイレクトに呼び出す機能は必須とも言える。


用途によって静止画ならフォーカスセット、動画メインの使い方ならピクチャープロファイルを割り当てておくなど、ユーザーの好みに積極的にカスタマイズできる。



撮影モードにはオートモードやシーンモード、パノラマモードがあり、初心者でも高画質を手軽に楽しめるよう配慮してある。特に逆光や暗所で設定が難しいと思ったら、オートモードにしておくと良いだろう。

シーンに合わせてコントラストやサイドを調整するオートモード以外に、撮影者の意思で写真の印象づくりをする「クリエイティブスタイル」や「ピクチャーエフェクト」がある。さらに、本格的な動画の画作りを可能とする「ピクチャープロファイル」機能を搭載する。



ピクチャープロファイルには、「S-Log2」などの本格的なガンマ設定や、カラーモードなど細かい設定が可能だ。カラーグレーディングによって、フィルムのような映像に仕上げることができる。

クリエイティブスタイルには、スタンダード、ビビッド、ニュートラル、クリア、ディープ、ライト、ポートレート、風景、夕景、夜景、紅葉、白黒、セピアとフィルムのイメージや、被写体に応じて選べるスタイルが用意されている。さらに、パラメーターを自分好みに調整することも可能だ。

イメージをより強調できるピクチャーエフェクトには、トイカメラ、ポップカラー、ポスタリゼーション、レトロフォト、ソフトハイキー、パートカラー、ハイコントラストモノクロ、ソフトフォーカス、絵画調HDR、リッチトーンモノクロ、ミニチュア、水彩画調、イラスト調と多彩なエフェクトが用意されている。こうした機能はフォトレタッチでも再現できるが、被写体によって使いたくなってしまう楽しめる機能だ。



動画撮影は、MP4、AVCHD、XAVC S HD、XAVC S 4Kと4つの記録方式をサポート。4K(3840×2160ドット)の高解像度動画撮影ならXAVC S 4Kや、テレビでの鑑賞・Blu-rayディスクへの保存が主な用途ならAVCHDなど用途によって選べる。なお、XAVC S 4Kで撮影し、変換なしでYouTubeへのアップロードも可能だ。

残念ながら動画の撮影時間には、29分の制限が掛けられている。
撮影終了後に再度、録画ボタンを押すことで動画撮影が可能だが、ライブや舞台撮影など長時間の撮影用途ではビデオカメラで定点撮影しつつ、アップをα7R IIで撮影するなど工夫が必要だ。

α7R IIは、「α7R」の高画質化と使いやすさの追求がメインであるため、革新的な機能は4K動画撮影程度にとどまっているが、一つ一つの機能の掘り下げ方が深く、思わずうなってしまうほど良くできている。

プロ向けの機能と、アマチュア向けの機能があるため複雑な印象も受けたのだが、スキルアップしてこんな風に撮りたいと思った時の操作やカスタマイズ面での懐の深さや、プロ向けの高画質で動画を撮るための非圧縮4:2:2 8bit HDMI出力が可能という機能面など、使う人に応じて多彩な顔が浮き上がる。

○α7R IIの4240万画素の高画質を実写で探る
ここからは、高感度の画質や実写をチェックしていきたいと思う。



α7R IIのボディには、35mm判フルサイズのイメージセンサーがソニーE-mountギリギリに収まっている。有効画素数約4240万画素のイメージセンサーは、高画質な静止画と動画撮影を得意とする。

今回撮影に使用したレンズは、高画質なズームレンズ「Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS(SEL2470Z)」。ズーム全域F4通しの扱いやすいズームレンズだ。
流石にフルサイズイメージセンサーに対応するため、大きく、やや重いレンズではあるが、高画質を得るためなら喜んで使いたくなる高性能な一本である。


ブレがすぐに目立ってしまう4240万画素の本機だが、レンズに搭載された光学式手ブレ補正とボディ内手ブレ補正が効いており、画素数を気にすることなく気軽に撮影することができた。

すぐ次の撮影ができるほどのレスポンスの良さもあって、「本当に4240万画素なの?」と思えるほど快適だ。
目に飛び込んできた鮮やかな緑と深い赤色が綺麗に再現されていた。



窓ガラスに写り込んだビルの細かい部分までしっかりと描写されている。良く見ると窓ガラスの奥に見えるビルの内装までもわかる。


広角レンズで風景を切り取ると、どうしても小さくまとまってしまい、大きさや広がりを感じないことが多いが、ディスプレイには4240万画素のダイナミックな風景が広がる。
これなら大きなサイズにプリントして楽しみたいと思える。



露出補正ダイヤルを回し、モニターでイメージに近い設定を見つけて撮影。等倍に拡大すると雲のグラデーションや輪郭などがしっかりと描かれている。
レンズこそ大きいが、背面モニターでサクサクと撮影でき、コンパクトデジタルカメラのような気軽さがあった。



建造物では、ローパスフィルターレスの解像感があり情報量の多さに驚かされた。
α7R IIで撮った写真を、ポスターよりも大きく表示できる高画素4Kの大画面テレビで楽しんでみたいとも感じた。

ISO感度別の比較を行ってみよう。ISO1600から、最高感度ISO102400まで1段ずつ撮影を行った。


ISO6400で、若干ざらつきが現れているがまだまだ実用的な画質だ。続くISO12800で、白い部分が荒れてくる。Webなどの縮小用途なら、ISO12800も実用範囲内。

ISO25600で全体的にざらつきが強くなり、解像感を持って行かれている。ISO51200で、小さな文字がつぶれてしまった。最高感度のISO102400では、ディテールが分かりづらくなっている。全体的にノイズが増えているため、縮小しても高感度という雰囲気が残る。

とはいうものの、縮小すれば記録された情報量の多さからディテールが表現され、高画素がもたらす効果を実感することができた。
なお、ISO100で絞りF4/シャッタースピード1/80秒のこのシーンにおいて、ISO102400では絞りF16/シャッタースピードが上限の1/8000秒という露出で撮影されていた。

α7R IIは、高価なミラーレス一眼カメラだ。
しっかりとした剛性のマグネシウム合金ボディと、4240万画素の高画素イメージセンサー、そしてそれをサポートするボディ内手ブレ補正、さらに静止画だけではなく動画もプロクオリティで撮影できる。
長く使い続けられるスペックをもつカメラと言っていいだろう。
価格÷年数で考えれば、意外とお買い得なのかも知れない。

○驚くべき解像力 ソニーFE 24-70mm F2.8 GM

ここからは、ソニーのフルサイズに対応するEマウント用レンズ「FE 24-70mm F2.8 GM (SEL2470GM)」を紹介していこう。SEL2470GMは、ズーム全域F2.8の大口径レンズだ。ハイグレードな「G」レンズの描写はどのようなものだろうか?

重さ約886gの金属外装からなる、まさに「ホンキ」モードの本レンズは、コンパクトなα7R IIと組み合わせるとレンズの存在感が圧倒的だ。
逆にそれだけで、写真好きにとっては写真を撮ることに対するモチベーションが上がってくる。

超高度非球面XA(extreme aspherical)レンズを含む、計3枚の非球面レンズを惜しげもなく投入。絞り開放でもシャープな描写をしており、安心して使っていける。



24mm側では絞り開放時に周辺がやや甘くなるものの、2段ほど絞れば甘さがなくなってくる。遠くのものが小さく写る広角レンズだがα7R IIは4240万画素もあるので、遠景でも驚くほどの情報量を持つ。α7R IIのもつポテンシャルをしっかりと引き出している。



70mm側も同様に、驚くほどの情報量をもつ。看板やクレーン車など細部まで観ることができ、まるでミニチュアを観ているような不思議な感覚だ。建物の壁面の細かさなども描写されており、できるだけ大きく引き延ばしてプリントしたいと思うはずだ。



24mm側でも絞り開放(F2.8)なら、フルサイズらしい大きなボケを作ることができる。ピントが合った部分の解像感とボケの対比で印象的な写真が撮れる。ボケは、やや輪郭が付く傾向があるようだ。



70mm側の絞り開放もしっかりと解像感がある一方で、ボケは柔らかく人物撮影に最適だ。遠景が大きくボケるため、背景を簡単に整理出来るのが大口径レンズのメリットでもある。



70mm側もF8まで絞って撮影すれば、驚くほど「カチ」っと引き締まった描写に変化する。α7R IIの高画質なら、トリミング耐性もあるので一部を切り取った望遠レンズ的な使い方も実用的だ。



コントラストは高いが、グラデーションはしっかりとしているため、白飛びする寸前までが自然に見える。また、暖かい光が感じられるとともに、陰影の付き方も写真的で表現力が豊かだ。バスの表面の細かい凹凸もしっかりと描写されていた。



ショウウインドウの反射を使って、トーンの調子を変えて撮影してみた。解像感の高さと、柔らかい自然なボケがイメージ作りに貢献している。



肉眼では真っ暗なガード下も、天井の色合いや細かな模様まで写っていた。広角側なら絞り開放でも十分な被写界深度があるため、写したいと思ったものがしっかりと写っている。逆に解像感が良すぎて、妙なリアリティーが生まれているのが発見だった。

ソニーFE 24-70mm F2.8 GMは、α7R IIの潜在能力を引き出すことができるホンキのレンズだと言うことがわかった。簡単に買える値段ではないが、絶対に持っておきたい一本なのは確かだ。


執筆 mi2_303
記事提供:クチコミ.jp(http://kuchikomi-web.jp/blog)