約1年ぶりにJリーグに復帰した権田。開幕戦では、3失点したものの鋭いセービングや精度の高いキックなど随所に能力の高さを見せた。(C)J.LEAGUE PHOTOS

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[J1リーグ開幕戦]鳥栖1-3柏/2月25日(土)/ベアスタ
 
 今季から鳥栖に加入した権田のJリーグ復帰戦は、3失点で悔しい敗戦となった。
 
「今日は(微妙な)判定とかがあって難しかったですけど、純粋に僕らが勝てなかっただけ。レフェリーがどうとかではなく、僕らは勝つことができた。少なくとも勝点1は持ってこれた試合だったと思う」
 
 そう敗戦を振り返った権田は、辛辣な表情でチームに苦言を呈する。
 
「2点をああいう形(PK)で取られたことで、納得いかない選手がいたり、イエローカードをもらったりして、バタバタしているうちに3点目を取られてしまった。僕も含めてそこで逆に強い気持ちを持って立ち向かうくらいのことができないと勝つのは難しい」
 
 権田は、不測の事態が起こっても揺るがない、逆境を撥ね返すリバウンドメンタリティを持つことの必要性を説く。さらに試合後のスタジアムの雰囲気に違和感を持ったという。
 
「もっと頑張らなきゃいけないのに、負けて終わって拍手してもらうというのは……。正直ブーイングされてもおかしくないと思っていたので、違和感は多少ありました。でも、ああやって後ろからなり、いろんな方向から後押ししてもらえるのは心強い。
 
 ただ、選手だけじゃなくて、サポーターの方も、メディアの方も含めて、サガン鳥栖に関わるみなさんが“これじゃダメだよね、これじゃ勝てないよね″と判断できるようにならないと優勝するチームにはなれない。
 
(鳥栖のサポーターは)ブーイングをしないんですよね? でも選手がふざけたプレーをしてたら、ブーイングをするべきだと思う。それはサポーターの方が自分たちで稼いだお金を僕たちの試合のために払って、休みの日に観に来てくれているわけだから。
 
 それに対して勝つことが一番のファンサービスだし、たとえ負けたとしても最後の1秒までやり切る姿というのを見せることが、僕らにできること。今日は、精神的、心理的に難しかったですけど、それができないと。サポーターの方も少しシビアになって、“今日のじゃダメでしょ、あそこでもう1個走らなきゃダメでしょ”となれたらもう一個強いチームになれると思う」
 
 チームとしてもうひとつ階段を上るためには、シビアな目も必要なのかもしれない。とはいえ、シーズンは開幕戦を終えたばかりで、まだまだ長い。権田はこうも話していた。
 
「開幕戦に勝って浮かれて、(これからのシーズンが)うまくいかないのだったら、今日こうやって“足りなかったんだ”と思えた方が良い。もう1回修正していきたい」
 
 開幕戦で感じた違和感をチームの成長に昇華させられるか。実力者を多く獲得し、名実ともにスケールアップを図る鳥栖にとって、そして、覚悟を持って新天地でのプレーを決めた権田にとっても、今季は勝負のシーズンになりそうだ。
 
取材・文:多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)