開幕スタメンを勝ち取りフル出場したヴァンフォーレ甲府のMF小椋祥平

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[2.26 J1第1節 G大阪1-1甲府 吹田S]

 試合開始前、ヴァンフォーレ甲府のスターティングメンバーが紹介される際、ガンバ大阪のサポーターから大きな拍手を受ける選手がいた。「最初はブーイングされるかなと思ったんですけど、温かい拍手をいただいた。うれしかったですね」。開幕戦にフル出場したMF小椋祥平は、昨季まで在籍した古巣のサポーターの心遣いに感謝した。

 小椋はこみ上げる感情を抑えながらプレーしていた。15年からG大阪に在籍した小椋だが、出場機会の少なさに悩まされると同年夏に山形に期限付き移籍。昨季1年間はG大阪でプレーしたが、主に試合出場はG大阪U-23でのJ3戦で、オフには契約満了による退団を余儀なくされた。

 31歳のベテランには厳しい冬になっていた。サッカーを続けようにも所属クラブが決まらず、不安な日々が続き、ようやく甲府から声がかかったが、練習参加のオファーだった。「正直、この年でそんなこともやりたくないというのはあった」と複雑な思いにもかられたという。

 ただそんな状況だったからこそ、純粋にサッカーと向き合うことができた。「とりあえず参加してみようかなと思って行ったんですけど、行ってみたらやっぱりやりたいなというのが出てきたんです」。吉田達磨新監督を迎えた甲府は、すでに1月8日に新体制を発表していたが、2月1日、小椋の新加入が追加発表された。

 迎えたJ1開幕戦。始まるまでは古巣戦という意識はあまりなかったというが、目の前に並ぶ昨年までのチームメイトを見ると、心の底から燃えるものを感じたという。「いざ試合が始まってみると、スタジアムの雰囲気だとかがうれしくて。最初は空回りしてしまって、うまくいかなかった」と頭をかいた小椋だが、「途中からは落ち着いてプレーできた」と充実の表情も見せた。

 5季連続でJ1を戦う甲府。しかし吉田達磨監督も認めるように下馬評は低い。予想を覆すためにも、この日のような後半アディショナルタイムの失点で勝利を逃すような戦いは避けていかなければいけない。ただ小椋は、「ゼロで終われる力がない」と課題が明確になったことをプラスに捕らえている。「J1でできるのが久々だったし、うれしかった。マリノスとの試合も楽しみ」。今は何よりもサッカーができる喜びを感じている。

(取材・文 児玉幸洋)


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