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ヴイエムウェアは2月24日、2017年の事業戦略に関する記者説明会を開催した。説明会では、代表取締役社長のジョン・ロバートソン氏が「Cross Cloud」を軸としたビジョンや事業戦略、日本での取り組みなどを紹介した。

初めに、ロバートソン氏は2016年について振り返った。グローバルで、2016年の通期売上は前年比7%増の70億9000万ドルを達成したが、日本はグローバルを上回る成長率を達成したという。

成長の要因として、ネットワーク仮想化ソリューション「VMware NSX」、サービスプロバイダー向けのパートナープログラム「VMware vCloud Air Network」、ストレージ仮想化ソリューション「VMware Virtual SAN」、エンドユーザー・コンピューティング(EUC)製品といった新たなソリューションの成長が挙げられた。

「NSXはマイクロセグメンテーションでの導入が多く、導入企業は200社を超えているvCloud Air Networkは売上の2割を占めているが、グローバルで最も大きな売上となっている。Virtual SANは仮想デスクトップと組み合わせて販売しているが、今後も伸びが期待される」

続けて、ロバートソン氏は2016年のハイライトとして、「Cross-Cloud Architectureによるハイブリッドクラウド化を推進」「日本固有のクラウドニーズへの対応」「実績あるvCAN パートナーとの連携強化」を挙げた。

「Cross-Cloud Architecture」とは、今年8月に発表されたマルチクラウド戦略でありながら、アーキテクチャでもある。統合SDDC(Software-Defined Data Center)プラットフォームの「VMware Cloud Foundation」と、パブリッククラウドを含めアプリケーションを横断的に管理できる仕組み「VMware Cross-Cloud Services」で構成される。

ロバートソン氏は「Cross-Cloud Architecture」について、「われわれは昔から、さまざまなクラウドを活用することを考えてきたが、これらを進化させたもの」と述べた。

「日本固有のクラウドニーズ」とは、日本企業がきめ細かな運用のサポートを望んでいることを意味する。「正直なところ、米国のメガクラウドベンダーはサポートサービスに力を入れていない。それゆえ、サービスの手厚さが日本のサービスプロバイダーの強みとなる」とロバートソン氏。

vCAN パートナーに関しては、11月に開催した「Cross-Cloud Architecture」に関する説明会で、インターネットイニシアティブ、NTTコミュニケーションズ、ソフトバンク、ニフティ、日本IBM、富士通と協力関係を強化することを発表し、6社から関係者が参加したことが紹介された。

続いて、2017年の注力分野に関する説明が行われた。「セキュリティの高いデジタルワークスペースの実現」「データセンターの革新」「パブリッククラウドとの統合」というITに関するテーマの実現により、「優れたモバイルの使用感」「ビジネス俊敏性と革新性」「ブランドと顧客からの信頼の維持」といったビジネスの成果の実現を目指す。

3つのITのテーマについては、あらゆるデバイス、あらゆるアプリケーション、あらゆるクラウドの利用をサポートする、同社のアーキテクチャによって実現していくという。

「vSphereとともにvSAN、NSXを利用することで、プライベートクラウドを構築できる。これをパブリッククラウドと連携していくことになる。パブリッククラウドの統合はこれからの課題だが、本社では開発に投資している。デバイス、アプリケーション、クラウドをすべてカバーできるのはわれわれだけだ」

さらに、ロバートソン氏は2018年以降を見据えたテーマとして、「顧客の拡大」「NSX」「EUC」「NFV/IoT」「人材」を挙げた。

「顧客の拡大については、SDDC(Software-Defined Data Center)を増やすことで実現していく。NSXはCross-Cloud Architecture普及のカギであり、ユースケースを増やしていきたい。EUCは米国に比べると2年ほど遅れていると感じているが、セキュリティ強化の側面から伸びしろがあると考えている。NFVとIoTは次の波を見据え、パートナーと共に推進していきたい。人材は当社にとって最も大切なもの。守って育てていく」と、2018年以降を見据えたテーマについて説明した。

vSphereでサーバ仮想化のトップベンダーの地位を獲得したヴイエムウェアだが、今度はクラウド分野でも新たなビジネスチャンスを切り開こうとしている。ロバートソン氏は常々、同社は外資系ITベンダーながら日本のよさを大事にしていると語っており、それがクラウドビジネスに生かされることを期待したい。

(今林敏子)