ACLで鹿島がムアントンと激突、代表クラスを多数そろえる“新”タイ王者の戦力は?

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 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)・グループステージ第2節が28日に行われる。第1節で蔚山現代(韓国)を2−0で下し白星スタートを切った鹿島アントラーズは、アウェイでタイリーグ王者のムアントン・ユナイテッドと対戦する。

 タイといえば昨季まではブリーラム・ユナイテッドが5年連続でACLに出場していたが、その牙城を崩したのがムアントン・ユナイテッド。昨シーズンは開幕前の大型補強によって、スタメンにタイ代表の主力選手がずらりと並ぶ巨大戦力で4シーズンぶりにタイリーグを制した。

 なかでも注目は、今年7月から北海道コンサドーレ札幌に加入する「タイのメッシ」ことチャナティップ・ソングラシン。東南アジア諸国の代表チーム王者を決めるAFFスズキカップでは2014年、2016年と2大会連続で大会MVPを獲得。現在、東南アジアのベストプレーヤーの一人であることは間違いない。

 その他、タイ代表の10番を背負うティーラシン・デーンダー、一昨年まではブリーラム・ユナイテッドの左サイドバックとしてACLでJクラブを苦しめてきたティーラトーン・ブンマータンら、急成長で脚光を浴びるタイ代表の主力選手の大半が在籍している。

 また、ディフェンスラインには元日本代表の青山直晃が入る。2015シーズンにヴァンフォーレ甲府から加入して今季が3シーズン目。「ACLでJクラブを倒すこと」を最大の目標としてきただけに、鹿島のアタッカー陣と対峙する青山のプレーにも注目だ。

 だが、ここに来てその充実の戦力が揺らぎ始めている。

 今季開幕前には「タイのブスケツ」と呼ばれる攻守の要、タナブーン・ケーサラットをタイ人史上最高額の移籍金5000万バーツ(約1億6千万円)でチェンライ・ユナイテッドに放出。開幕直後にはタイリーグ通算119ゴールのブラジル人ストライカー、クレイトン・シルバが移籍金1億バーツ(約3億2千万円)で中国リーグ2部の上海申キンへと移籍した。

 さらに、その直後にはタイ代表の不動のボランチであるサーラット・ユーイェンが全治6カ月の大けがを負うなど、昨季は国内で「ドリームチーム」と呼ばれたタイ最強クラブの屋台骨がぐらつき始めた。その状況に、Jクラブとの対戦に自信を見せてきた青山も「考えていたメンバーとかなり違ってきてしまった」と不安な表情を隠さない。

 だが、そのメンバーで臨んだACLグループステージ第1節で、ムアントン・ユナイテッドはブリスベン・ロアー(オーストラリア)にアウェイで0−0のドロー。勝ち点3を手にしてもおかしくないゲームを見せ、選手層の厚さを示した。

 25日に行われたタイリーグ第3節では、鹿島戦へ向けて複数の主力を休ませている。もちろん必要以上に恐れることはないが、年々目に見える進化を続けるタイリーグの王者は、Jリーグ勢にとってもかつてのように簡単な相手でないのは確かだ。

<記事:本多辰成 協力:アジアサッカー研究所>