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◆日本製の最後の砦・デジタルカメラ

 液晶テレビ・プラズマテレビ、太陽電池、カーナビなどかつて世界市場を席巻した日本製品。しかし、ここ数年は安価かつ高品質の海外メーカーに押されており、現在経営再建中の東芝の例を出すまでもなく、国内メーカーは苦境に立たされている。

 そんななか、いまだに日本製品が世界で高いプレゼンスを誇るのが、デジタルカメラの分野だ。キャノン、ニコンの圧倒的2強を筆頭に、ソニー、パナソニック、オリンパスなど日本製デジタルカメラが世界シェアの約80%を占める。

 とはいえ、スマートフォンのカメラ性能が進化するなか、デジタルカメラの市場そのものは縮小傾向にあるといえる。

 世界的マーケティング・リサーチ企業の日本法人・Gfkジャパンは2月24日、2016年の「グローバルのデジタルカメラ販売動向」に関する調査を発表した。

◆グローバル市場は減少傾向に

 同調査によると、デジタルカメラの世界的な販売数量は、前年比25%減の3500万台、金額にして13%減の153億USドル(約1兆7156億円)と、かなり厳しい数字が現れた。

 とりわけヨーロッパや北米での売上減は顕著。地域別の主要マーケットを見ても、西ヨーロッパの数量は前年比24%減、北米でも前年比18%減と大幅に落ち込んでいる。

 一方で、新興国バブルに湧くアジアのマーケットも厳しい数字が並んだ。世界最大の市場である中国も、数量は前年比23%減、日本も前年比22%減するなど縮小傾向が現れた。

◆苦境のデジタルカメラ市場の光明

 そんな逆境にあるデジタルカメラ市場だが、明るい話題がないわけでもない。アジアマーケットのなかで東南アジアが販売数量では前年比18%減となるも、金額で前年比6%増と伸びているのだ。

 とりわけミラーレスカメラの人気がすさまじい。コンパクトカメラが前年比38%減、一眼レフカメラが8%減となるなか、ミラーレスカメラのみ販売数量で前年比45%増と大幅に成長しているのだ。構成比も、数量ベースで前年の16%から28%へ、金額ベースで27%から39%へと拡大した。

 販売経路の拡大に加え、タイでのミラーレスカメラ需要の高まり、平均販売価格の上昇がその要因と同調査は見ている。

◆苦境下で成長を遂げるセグメント

 こうした市場状況について、GfKフォト部門のグローバルディレクター、リバト・ティッペンハウアー氏は次のように語る。

「明確な付加価値を打ち出せないカテゴリーが大きく影響を受けている一方で、ハイエンドモデルの需要は安定している。金額規模で市場の3分の1を占めるようになった1000USドル以上(約11万2000円)のセグメントは、ほぼ一定の販売推移を見せた。’17年も市場縮小が継続すると見られるが、その下げ幅は販売台数ベースでは10%程度改善する見込みです」

 縮小傾向にあるデジタルカメラ市場だが、高い金を支払ってもユーザーが買いたい!と思うハイエンドモデルがその鍵を握っているのだ。

<文/井野祐真>

【参照】
「2016年グローバルのデジタルカメラ販売動向」
http://www.gfk.com/jp/insights/press-release/globaldigitalcamera/