虐待を受け放置されていたピットブル、現在は消防署が新しい家に(出典:https://www.instagram.com/probyash)

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虐待を受けた動物が無事救助され、元気な姿を取り戻すのを見るほどアニマルレスキュー隊スタッフにとって嬉しいことはない。このほど、廃屋と化していた一軒の家から救助されたピットブルが、地元の消防署に引き取られ新しい消防団員のメンバーとなった。米メディア『NewYork Post』や『CBS News』が伝えている。

1月9日、ニューヨークの非営利動物救助団体「No More Pain Rescue」スタッフのもとに一件の通報が寄せられた。エリカ・マンケンさんとフィアンセのマイケル・フェイヴァーさんが情報をもとにスタテンアイランドの一軒の家に向かうと、そこは既に廃屋となっていた。

中に入るとコカインを密売していたと思われる痕跡が残されており、電気も切られて凍える寒さのなか1匹のピットブルが少なくとも2日間飲まず食わずで放置されていたようで、栄養失調状態であることがうかがえた。しかもピットブルの体にはタバコを押し付けたられたような跡もあり、虐待を受けていたことは明らかであった。

約1年前に「No More Pain Rescue」を友人とともに立ち上げたエリカさんとマイケルさんは、知り合いがいるマンハッタン区ロウアー・イースト・サイドの通称“Fort Pitt”と呼ばれている消防署に連絡し、「アシュリー」と名付けられたもうすぐ1歳になるこのピットブルを一時的に預かってもらうように頼んだ。過去にロットワイラー犬を預かったことがある消防署スタッフは、二つ返事でマイケルさんらの頼みを引き受けた。

暗く冷たい廃屋から消防署に預けられたアシュリーは、あっという間に元気を取り戻した。そして救助から3日後の1月12日、マイケルさんは消防署から「アシュリーを正式に引き取りたい」という連絡を受けた。どうやらアシュリー以上に、消防隊員たちがアシュリーを大変気に入ったようだ。エリカさんは「様子を見に行くと、アシュリーが“新しい家”にすっかり馴染んでいるのがわかりました。落ち着くべき場所に落ち着いたのだと言えるでしょう」と話している。

現在、新しい住処と飼い主を得たアシュリーの様子はInstagramに投稿されており、16,000人超のフォロワーもいる。消防署内でスタッフに可愛がられ専用のユニフォームを着せられて時に職務に励む姿のアシュリーを見て、エリカさんとマイケルさん喜びを隠せない。

「救助した時、アシュリーは標準体重を11kgも下回っていたのですが、今では22.6kgにもなって抱えるのが大変なくらいに健康的に回復しました。アシュリーにとってこれ以上最高の“家”はありません。消防署のスタッフたちがアシュリーをとても大切にしてくれているのだということがわかって感謝しています。やっぱり彼らはヒーローです」とエリカさんは話している。

人々の救助に命をかける消防士は動物へのケアにおいてもやはりそのヒーローぶりを発揮するのだろう。そんな消防士に憧れる子供たちも少なくはない。昨年9月には4歳男児が“おまる”を頭から被って抜けなくなってしまい、ここぞとばかりに憧れの消防署へ救助を求めて家族と出向いた時の嬉々とした姿がイギリスで話題になった。

出典:https://www.instagram.com/probyash
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)