新10番・倉田の「意地」と「覚醒」が王座奪還の鍵を握る。 写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1リーグ開幕戦]G大阪1-1甲府/2月26日/吹田S
 
 開幕戦を終えた後の倉田秋は、自分に対して辛辣だった。それも無理はないだろう。今野泰幸の劇的な同点弾で引き分けに持ち込んだとはいえ、負けていても不思議ではなかったうえ、2トップとの連係でミスが続いて思うような攻撃ができなかったのだから。 
 
 ACLでの2試合で連勝を飾った結果とは裏腹に、4-3-1-2の新システムでトップ下を任される倉田はまだ会心のパフォーマンスを出せていない。開幕戦でも、見せ場は43分に今野の決定機を演出したスルーパスとこぼれ球に右足を振り抜いた50分のミドルシュートくらい。甲府が「ほとんどくさびに対するコースを切っていた」(長沢駿)ことでなかなか突破口を見出せなかったが、「あれくらい(中央に)絞ってくるのはどのチームも当たり前」と、あくまで問題は自分たちにあったと倉田は主張する。
 
「守備にしても攻撃にしても、チーム全体が狙いを持ってやる形が少なくて、勢いがなかったですね。前3人(アデミウソン、長沢駿、倉田)にしても、良い距離感でやろうと話はしているけど、今日はミスばっかりだった。3人の息(連係)、(プレーの)質、すべてに問題があったと思います。 正直、(今日は)やっていても楽しくなかったし、ダイレクトプレーがもっと合うようにやっていかなあかんなと」
 
 もっともリーグ戦と並行してACLを戦うG大阪は、2日後には済州ユナイテッド戦が控えており、落ち込んでいる暇はない。倉田も悔しさを滲ませつつも、次なる戦いに照準を合わせる。
 
「これから勝ち続けないとダメ。こういう(不甲斐ない)ゲームは今日で終わりにしたい。今日は2トップをあまり生かせなかったので、次はしっかり勝てるようなプレーを見せたいですね」
 
 クラブの歴史に名を残す二川孝広(現・東京V)に代わって、10番を背負うプレッシャーはあるだろう。それでも、この生え抜きのアタッカーが背番号に見合うくらいの活躍を見せなければ、王座奪還への道は切り開けない。倉田の「意地」と「覚醒」に期待したい。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)

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