「シダックスビレッジクラブ」の跡地(編集部撮影)

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春の引越しシーズンを目前に控え、ホームファッション専門チェーン・ニトリの都心部出店攻勢が目覚しい。2016年12月、紀伊国屋書店新宿南店の跡地に「新宿タカシマヤタイムズスクエア店」が開業。17年3月15日に東武百貨店池袋本店6Fに「東武池袋店」を出店する。これで東京3大副都心――新宿・池袋・渋谷のうち2か所に拠点を築いたことになる。一方、渋谷には東急東横店南館7Fに小型店業態の「ニトリデコホーム」がある。駅直結でアクセスは申し分ないものの、店舗面積は約130坪にすぎない。

最近、「今年夏、ニトリが渋谷に大型店をオープンさせるらしい」という情報がネット上で飛び交っている。場所は、カラオケチェーン大手シダックスの旗艦店「シダックスビレッジクラブ」(渋谷区神南)の跡地だ。噂の真偽を確かめるべく、トレンド編集部は現地へ向かった。

広報部「本件について否定はいたしませんが...」

ファイヤー通りは、渋谷モディ付近から岸記念体育会館に通じる道に付けられた愛称。道沿いに渋谷消防署があることからそう呼ばれるようになった。山手線の外側を並行する形で、坂の多い渋谷にしては比較的なだらか。

シダックスビレッジクラブ跡地は渋谷駅からおよそ450mのところにある。もともとは丸井(東京都中野区)が1991年に「マルイ・イン・ザ・ルーム」として出店した場所で、その後「マルイワン渋谷」と業態転換するも2004年に閉店。入れ替わるように「シダックスビレッジクラブ」がオープンする。一時期は隆盛を誇ったが、カラオケ事業の赤字により16年8月末をもって閉店した。

建物の1Fには「建築計画のお知らせ」が貼ってある。「建築物の名称」の欄に「(仮称)ニトリ渋谷店改修工事」と記されているではないか! また「着工予定」が3月1日、「完了予定」が5月31日と記されている。

トレンド編集部がニトリ東京本部の広報部に取材したところ、「本件について否定はいたしませんが、公式の回答は控えさせていただきます」とのことだった。

ファイヤー通りにはファッション感度の高い若者が全国から集まる。アメリカンカジュアルや雑貨の店が多数を占める一方で、インテリアのNOCE渋谷店も近い。19年には渋谷パルコがリニューアルオープンする予定。

もし今回の噂が本当なら、デコホームでは難しかったルーム提案型の売り場ができて不思議ではなく、さまざまな客層が集まることだろう。一帯の活性化にも寄与するに違いない。駅からやや距離があるのは気になるところだが。

北海道という人口過少地域で誕生したニトリは、海外での商品開発・調達に注力し、物流体制を効率化することで、ローコスト体質を磨き上げていった。ホームファッション分野での対抗馬はスウェーデン発のIKEA(イケア)ぐらい。ただしイケアは購入から組み立てまでセルフサービスが原則だ。少子高齢化が進む日本では、かゆいところに手が届くサービスを展開するニトリに軍配が挙がる。

16年3月末現在、ニトリの店舗数は国内外含め430。これだけでも大変な数字だが、同社は17年に500店舗、22年に1000店舗、32年に3000店舗というビジョンを掲げる。