アマゾンの倉庫(「Wikipedia」より)

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 米アマゾンが先日発表した2016年10〜12月期決算の売上高が、前年同期比22%増の437億4,100万ドルに達し、四半期売上高の過去最高を記録した。

 これにより、16年通期の売上は前期比20.7%増の1,359億8,700万ドルとなり、創業以来まさに右肩上がりで大幅に増加し続けている。その内訳を見ると、製品の売上(仕入れ商品による売上)が914億3,100万ドルと最も多く、売上全体の67%を占める。

 2番目に多いのがアマゾンマーケットプレイスに出店している、第三者が販売するサービスや製品の販売に伴う手数料売上(229億9,300万ドル)で、売上全体の17%を占める。これに続くのが、コンピューティングやホスティングサービスを提供するアマゾン ウェブ サービス(AWS)で、売上全体の約1割を占めるまでに成長した。

 さらに見逃せないのは、Amazonプライム会員費などを含む定期購入売上(63億9,400万ドル)で、売上全体の5%を占める。16年10月の米調査会社Consumer Intelligence Research Partners(CIRP)の発表によると、16年9月末の米国のプライム会員数は6,500万人に達する。現在も会員数は伸び続け、着実に定期収入を増やしている。

 また地域別では、北米市場の売上が903億4,900万ドル(前期比28.0%増)で売上全体の約3分の2を占める。北米市場は、以前は前期比が10%強の伸びで推移していたが、直近1〜2年の前期比はどちらも28.0%増と著しい伸びを記録し大幅な成長を遂げている。17年も同様に伸びれば、北米市場での1,000億ドル超えは極めて容易に達成されるであろう。

 その他の地域では、稼ぎ頭のドイツ、日本、英国3カ国のなかで、すでに売上100億ドル超えを果たしているドイツ(141億4,800万ドル・前期比19.7%増)に続いて、日本の売上が107億9,700万ドル(前期比30.6%増)となり、100億ドル超えを果たしている。売上高全体に占める割合も7.9%を占めるまでに成長している。

●新フェーズへの移行

 アマゾンがこのように成長できた背景には、いくつかの要因が考えられる。そこで、この成長が今後鈍化するのではなく一段と加速するとの考えの下に、アマゾンの成長戦略の原動力を捉えてみると、アマゾンは明らかに新たなフェーズに移行したといえる。

 アマゾンは創業当初、物理的な製品をオンラインで販売して品数を増やしていた。巨大な物流センターをいくつも建設し、製品の在庫スペースの確保に明け暮れた。アマゾンの成長はテールの拡大にあるとの信念に照らして、こうした品揃え拡大化路線を貫いてきたのである。

 だが、テールの確保にも限界をきたしたことから、今度は、製品やサービスを可能な限りデジタル化して、クラウドによるサービス提供に切り替えた。これは、まさにテールを伸ばすだけでなく、テール自体を太らす契機にもなり、流通やオペレーションコストの軽減を可能にした。

 アマゾンのテールは果たしてどこまで伸び、どの程度まで太るのであろうか。テールの成長とともに、アマゾンは今後も成長し続けていくに違いない。
(文=雨宮寛二/世界平和研究所主任研究員)