高級スーツ姿のイケメンがホームレス!?話題のドキュメンタリー映画の男性を直撃

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 かつてモデルとして雑誌「ヴォーグ」に載ったこともある、俳優兼カメラマンのマーク・レイ。ニューヨークでホームレス生活を送る50代の彼の生活に3年間にわたって密着したドキュメンタリー『ホームレス ニューヨークと寝た男』が、小規模公開としては異例のスマッシュヒットを記録しています。

 米ニューヨーク・ドキュメンタリー映画祭2014で審査員賞を受賞し、各国で話題を集めた本作のまさにご本人、マーク・レイさんに話を聞きました。

◆定職に就こうとは思わなかった

――本作が公開され、どんな反響がありましたか?

マーク:光栄に思う言葉をいただきました。いかにその人にとって、この映画が大切になったか。「心の琴線に触れて感動しました」とか、「考え方が変わりました」とおっしゃってくれたりして。モチベーション、インスピレーションを与えられた人が多いようです。

――定職について居を構えようと思われた時期はありますか?

マーク:僕は写真家として、役者として、いっときはモデルとして、生計を立てていきたいという情熱を持っていたし、持っているんです。だから9時5時の仕事に就いたとしても、心から仕事をすることはできないとわかっています。まだ自分自身にも他人にも、役者としてカメラマンとして生計を立てられるんだと証明したい気持ちがあるから、定職に就くことを真剣に考えたことはありません。それに実は、アメリカで家がなく、シェルターの施設にいる方のほとんどはフルタイムのお仕事を持っているんですよ。

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◆ニューヨークはソウルメイトであり愛する人

――現実問題として、モデルや俳優といった仕事はやはり生活していくうえで厳しいですか?

マーク:いまはもうモデルはやっていないんです。僕は俳優組合に入っているけれど、ほとんどはセリフがなかったり、エキストラ的な仕事です。ただ映画への出演経験もあるし、もっと出演していきたい。正直、安定を望むには最悪な仕事ですね。でも多くの俳優は安定よりも、演技への情熱を持っている。だから、この仕事を続けているんですよね。

――日本では副題に「ニューヨークと寝た男」と付いています。どう思いました?

マーク:興味深いし、おもしろい副題ですね。イメージとしては、NYの街のうえで、僕がふわふわと寝ている感じかな。実際に雑居ビルのアパートの屋上で寝ていましたしね。そんなイメージを想起させられるし、ニューヨークは僕にとってソウルメイトであり愛する人、僕の欲望の対象だから、大きな代償を払ってでも一緒にいたい、そういう情熱を感じられる相手なんだという意味としても捉えられますね。

――愛する人という言葉が出ましたが、実生活でマークさんは愛する人に出会えました?

マーク:いま現在、努力中です。ある人とね。なんだか熱くなってきたな(照)。

◆初来日、東京は本当に不夜城だった

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――初来日だそうですが、日本の印象を教えてください。

マーク:ニューヨークとは違って、街を歩いていて思うのは、自分は背が高くてルックスもみんなと違ってるんだなということ。その感覚はおもしろいですね。それから東京は眠らない街。時差ボケで起きてしまって4時半にコーヒーを飲みに出たんですけど、若い人たちが酔っぱらった状態で帰路についていました。ニューヨークであの時間にあんなにたくさんの人は見たことがないので、本当に不夜城なんだなと思いましたよ。それから渋谷のスクランブル交差点は人が多くて、最初、渡れませんでした(苦笑)。

――女子SPA!読者にメッセージをお願いします。

マーク:もしかしたら、50代の、しかも役者だったり写真家だったりしている男の人生で、私とは関係がないわと思うかもしれません。でもそうじゃないと伝えたい。現代社会では多くの人がギリギリの生活をしています。みなさんだって失職したりして、今の場所に住み続けられるか分からないといった問題に直面することがあるかもしれない。実はみなさんの身にも起こり得る話なので、あまり職業を気にしないで観ていただきたいです。

 それから、男性というのは気持ちを赤裸々に語ることが少ないと思うんです。でもこの映画のなかで、僕はとてもオープンに誠実に、正直に、人生に対する不安や、自分がいかに社会に適合できていないかといったことについて、感情を吐露しているので、女性はそういった面にも興味を持っていただけるのではと思います。

<TEXT&PHOTO/望月ふみ>
『ホームレス ニューヨークと寝た男』は1月28日より全国順次公開中
配給:ミモザフィルムズ
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