2003年の本田武史以来、3大会ぶりとなる金メダルに輝いた宇野昌磨【写真:Getty Images】

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冬季アジア大会、2003年の本田武史以来3大会ぶりV

 冬季アジア大会は最終日の26日、フィギュアスケート男子のフリーが真駒内公園屋内競技場で行われ、ショートプログラム(SP)2位の宇野昌磨(中京大)が188.84点で合計281.27点とし、逆転で金メダルを獲得。日本勢の金メダルは2003年の本田武史以来、3大会14年ぶりの快挙となった。SP1位の金博洋は280.08点で2位、無良崇人(洋菓子のヒロタ)は263.31点の4位でメダルに届かなかった。

 日本の19歳が、耐えて、粘って、輝いた。宇野は冒頭の4回転ループで転倒。それでも、3度のコンビネーションジャンプに挑戦した。最後のジャンプで再び転倒したが、キレのあるステップも披露。迫真の滑りを終えると、地元の大声援が全身に降り注いだ。

「いつもコンビネーションを全部トライしようと思って余らせて終わってしまう。今回はすべて挑戦しようと。あまりいい演技ではなかったけど、最後まで攻め切ってまとめた結果が優勝につながったと思う」

 日本勢では2003年の本田武史以来、実に3大会ぶりとなる金メダルが決まると“昌磨スマイル”が広がった。

 未知なる戦いに打ち勝った。3位に入った四大陸選手権から、たった1週間。「経験がない」という連戦でSPは体に重さが残り、ジャンプミスが2度で出てトップと0.43点差と2位発進。「こんな演技で自分を褒めたくない」と悔しがっていたが、中1日で修正する強さを発揮した。

「ハードな日程なのは僕だけではないし、僕の調整はまだまだ未熟。それでも、1日で気持ちの面で間違いなくいい調整ができた」

 四大陸選手権ではネーサン・チェン(米国)がフリーで5本の4回転を成功させて優勝。平昌五輪が1年後に迫り、世界はかつてない「4回転時代」に突入している。そんなハイレベルな競争の中で、4回転ループを持つ宇野も最先端に立ち、今大会不出場だったチェン、羽生結弦らとしのぎを削っていく。

 3月には世界選手権に出場予定。「シーズン後半になって、ほかの皆さんも完成度が上がっている。自分も磨いていかないと進化できない。選手権では滑り終わった後に笑って、自分を否定するような演技をしないようにしたい」。ここは、まだ通過点。アジアから世界の頂へ――。19歳は、成長を止めない。