■DAZNによる新体制のJリーグ

 25日新体制となったJリーグが開幕した。英国の配信会社「DAZN」がJリーグ放映権を高額で買い取った為、今まで以上にクラブに回ってくる資金が増えることが予想される。それに伴い各チーム今まで以上の戦力を整えられた感がある。

 神戸はルーカス・ポドルスキーと年俸6億円という大型契約を結んだ。他チームも海外選手を中心に戦力の補強をし、万全の状況でJリーグ開幕を迎えた。中でも注目を浴びていたのが浦和と鹿島だろう。

 両チームは昨年のチャンピオンシップのファイナルを争ったライバル同士。浦和に至ってはどのチームより先に開幕戦が行われた。相手は横浜・Fマリノス。場所は2002日韓ワールドカップの決勝の舞台であることも今後の転換期を予感させる。

■DAZNの評価

 さて、話はちょっと変わりDAZNに移る。Jリーグ開幕戦、とりわけ、この横浜と浦和の試合の注目度は高い。なぜならDAZNがJリーグ放映権を取得してから初めて配信するリーグ戦の試合だからだ。これでユーザーが「よくない」と感じたらDAZNの「お試し期間」で登録しているユーザーが離れ収入減になってしまうからだ。

 個人的な意見を言わせてもらうと、DAZNは見やすかった。ライブの中継も鮮明な画像だったし、見逃し配信のハイライトもうまくまとめられていた。ファンからは高評価を得たのではないと思う。強いて言えば全部の試合のハイライトが欲しいところだが満足いく内容だった。

Jリーグの思惑

 声を大にして言っていたわけではないが、Jリーグの思惑は方向転換された。今までは「Jリーグ全体を盛り上げる」という漠然とした目標しかなかった感があった。しかし、DAZNとの大型契約により高額の放映料を得たため順位の良かったチームに高額の報奨金を約束したJリーグ。明らかに日本でビッグクラブを作り世界に立ち向かえるチームを出そうという考えだ。

 その先頭を走っていたのが浦和と鹿島である。両チームとも21日に行われたACLの初戦を快勝し、Jリーグの思惑通り他チームを引っ張るようなビッグクラブになりつつあった。そんな中Jリーグが開幕した。

 蓋を開けてみたら両チームとも黒星発進。Jリーグとしては出鼻をくじかれた感じで、焦りを通り越して怒りに変わっていたかもしれない。ACLで勝利したものの、他チームも「Jリーグは甘くない」と言っているような気がした。

 転換期を迎えたJリーグ。組織の型にはまらず、常に高レベルでファンを魅了してくれる試合を続けていけば結果的に日本サッカー界全体のレベルが上がる。Jリーグの狙い通りビッグクラブができ、世界トップレベルのチームができるのは結構だが、それだけが正解という訳ではない。波乱の幕開けとなった2017年のJリーグだがこれはこれで面白く、予定通りにいかないからサッカーは面白いのだ!