このほど中国のネット上で、「日本人患者の歯を抜くのに麻酔を減らした」という歯科医ネットユーザーの書き込みが波紋を呼んでいる。当事者はジョークで書き込んだとしているが、冗談でも許される話ではない。中国メディア・新京報は24日、「愛国的行為でもなければ、医徳にも反する行為だ」と糾弾する評論記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 このほど中国のネット上で、「日本人患者の歯を抜くのに麻酔を減らした」という歯科医ネットユーザーの書き込みが波紋を呼んでいる。当事者はジョークで書き込んだとしているが、冗談でも許される話ではない。中国メディア・新京報は24日、「愛国的行為でもなければ、医徳にも反する行為だ」と糾弾する評論記事を掲載した。

 記事は、ある女性歯科医がネット上に「日本の患者の抜歯で麻酔を減らした」とSNS上に書き込むとともに、治療を受けたとみられる日本人男性のパスポート写真まで掲載したと紹介。「同胞を傷つける『愛国』、日本のホテルで水を出しっぱなしにする『愛国』などに続いて、また新たな『愛国』が世に出てきた」評した。

 そして、この女性が「本当にやったわけではない。ジョークで書いた」と釈明していることに対して「本当にそうかもしれないが、患者のパスポート写真を晒すなど、極めて医療道徳に反する行為であり、病院は相応の処罰を与えるべき。可能であれば進んで日本人患者に連絡を取って謝罪すべきだ」と指摘している。また、批判が寄せられる一方で、中には「日本がかつてしてきたことに比べれば大したことない。よくやった」と叫ぶ者がいたことを紹介。「そんな考え方をする者は、歴史と現実を区別できていない、盲目的で浅薄な『愛国』的思考の持ち主だ」と断じた。

 記事は、現在多くの中国人が愛国的スローガンに対して鬱陶しい気分を持っているのは「みんなこのような『愛国』行為のせいではないのか」と解説するとともに、「もし歴史上の苦難が国民や医師に道徳を放棄あるいは忘却せしめる事しかできないのであれば、先人たちの流した血はまさに無駄に終わってしまう」と論じている。

 国民の愛国心に対する姿勢や考え方の問題もあるが、今回の件で本当に大きな問題とすべきは、中国における医療従事者のモラルが一部で欠如している可能性があることだろう。生命に直結する問題だけに「愛国心よりもまず医者を何とかしろ」と思った中国の市民も多いのではないだろうか。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)