中国には「銭学森(せんがくしん)の問い」という言葉がある。銭学森氏は中国の航空力学研究者として世界でも有名な人物だが、銭学森氏は生前に様々な場面で「中国は長年にわたって多くの学生を教育してきたが、なぜ中国の学校は傑出した人材を育て上げることができないでいるのか」という問いを口にしたという。(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 中国には「銭学森(せんがくしん)の問い」という言葉がある。銭学森氏は中国の航空力学研究者として世界でも有名な人物だが、銭学森氏は生前に様々な場面で「中国は長年にわたって多くの学生を教育してきたが、なぜ中国の学校は傑出した人材を育て上げることができないでいるのか」という問いを口にしたという。

 銭学森の問いとは対照的に、日本は21世紀に入ってノーベル賞受賞者を多数輩出しているが、中国メディアの今日頭条が22日付で掲載した記事は、日本がノーベル賞受賞者を輩出し続けることができる力の源について説明している。

 記事は「日本はノーベル賞獲得への道をまっしぐらに狂奔している」と表現、日本は1年に1人のペースでノーベル賞受賞者を輩出しており、その数は米国に次いで世界で二番目に多いと説明したが、この力の源について記事は「十分な科学研究費」、「優れた教授からの継承」、「産学協同」などがあると分析した。

 まず「十分な科学研究費」について、日本は1960年に「10年後を目標とする科学技術振興の総合的基本方策について」の答申を行い、科学研究に一定額の資金を投じることに全力を傾けるという方針が定められたと紹介。また現在の科学技術基本計画も日本の研究者たちが十分な科学研究費を獲得することを可能にしていると説明した。

 また「優れた教授からの継承」について、記事は「優秀な師匠による指導はとても重要である」とし、トップレベルの研究方法や結果、ノウハウはすべて伝承されており、ノーベル賞を受賞した師匠が弟子をノーベル賞受賞者にするのが常であると論じた。

 「優秀な師匠による指導はとても重要である」という記事の指摘は実に当を得た分析であり、研究者がノーベル賞受賞者になるかどうかに関わりなく、優れた師匠が示す科学研究に打ち込む姿勢や方法、また情報の収集の仕方などがその学生に与える影響は計り知れないほど大きいと言える。こうした環境こそ、日本から多くのノーベル賞受賞者が輩出される理由なのかも知れない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)