ポッキーが半世紀も勝ち続けている理由

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知財で最大限の効果を得るオープン・クローズ戦略。その戦略で半世紀も勝ち抜いているポッキーの秘密に迫ります。

「手持ち部分」アイデアで半世紀

2015年は、グリコのポッキーが生まれて50年の記念の年だったそうです。チョコレート菓子の草分け的な存在として、もう半世紀の歴史があるのですね。
ポッキーの特徴を挙げるとすれば、チョコレートがかかっていない「手持ち部分」とおっしゃる方が少なくないと思います。手を汚さずに食べられるから、たとえば本を読むときなど、とてもいいですよね。

形にするための高度な技術

グリコ広報部によると「ソースにひたして食べる串カツ」をヒントにポッキーの持ち手を考えたそうです。なるほど、ソースの部分がチョコレートにあたるわけですね。さすがは大阪の企業です。
まっすぐに焼かれたポッキーのスティック部分を商品サイズにカットしてから、手持ち部分を残してチョコレートでコーティングするとのことですが、これを大量生産の中で自動化するのは、ものすごく高度な技術が必要となります。

製造設備も自社開発で

スティック部分のあの細さを考えてみてください。力を加えればすぐに割れたり欠けたりしてしまうことは簡単に想像できるでしょう。
この高度な技術を伴った製造設備は、社外のメーカーに頼んで作らせたものではなく、グリコが自社で独自に開発したものだということです。
不良品を出さず、おいしく、効率よく生産していくための改良が何十年にもわたって重ねられてきた、いわば「アイデアのかたまり」の設備。設備を正常に稼働させるためのノウハウをもった人材も欠かせなかったことでしょう。

設備開発するのは至難の業

ここで大事なのは、設備やノウハウが門外不出となるよう、徹底して管理されてきたことです。
当然、特許なども出願せずにきたのでしょう。もし、製造方法で特許をとっていたら、ポッキーの類似商品がもっとたくさん世に出回っていたはずです。その理由は……、おわかりですよね?
ポッキーのつくり自体は一見すればわかりますから、模倣品をつくることは簡単に思えます。でも、模倣者がその製造設備を独自に、一から開発するのは至難の業です。不可能とはいいませんが、長い時間と多額の費用が必要となるでしょう。

オープン・クローズの勝利

その苦労と費用をもってしても、おそらくポッキーを凌駕するようなものは作れない。「苦労して模倣するだけムダ」と思わせられたことが、誕生から50年、ポッキーが勝ち続けられている理由といえます。
ポッキーという形状は見せるけれども(オープン)、製造設備、製造方法を門外不出、「見せない、出さない、話さない」にした(クローズ)。ポッキーの勝利はいわば「オープン・クローズ戦略の勝利」といえるのです。
 

【まとめ】

・ポッキーは「手持ち部分」で人気商品になり、すでに半世紀。
・真似しやすいアイデアでも、製造技術は真似ができない。
・形を見せて、作り方は門外不出。ポッキーの勝利はあなたの知財活用の参考になりそうですね。

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著者:新井信昭(あらい・のぶあき)