原宿に、ネットで話題の激辛麻婆豆腐があるのはご存知だろうか? 表面張力がすごいビジュアルと辛さに驚くだけではない。

知られざる魅力が他にもある。今回は、そんな『東坡 (トンポー)』に注目しよう!



厨房で唐辛子と火に奮闘する店主
34年の歴史を感じる麻婆豆腐の名店といえばこちら!

裏原宿にひっそりと佇む老舗中華店『東坡』。中国・大連出身の店主、諏訪漢宙氏が34年前に来日してこの店はスタートした。

カウンター席13席、4人掛けテーブル席1つの小さな店内。日本語を話せず、0からのスタートで苦労してきた。

いまでは激辛好きなら知らないものはいない麻婆豆腐の有名店として、人気を博しているのだ。


辛い!熱い!痛い!でも……、旨いんです!



麻婆豆腐 大¥3,500 ※単品のみの注文不可
フォトジェニックな麻婆豆腐!

いよいよお待ちかねの「麻婆豆腐」! 器に並々と注がれ、表面張力の凄さを感じる。

提供は早いが、実は仕込みで豚挽肉と豆腐、調味料を加えて45分間も煮込んでいる。化学調味料や片栗粉すら入れず、旨味を丁寧に引き出している。



それにしても何なのだ、この赤さは。聞けば、豆板醤だけでなく輪切りの唐辛子と大量の一味唐辛子を入れている。厨房で上がる炎、刺激的な唐辛子とむせる花椒に葛藤する店主を見ていると、なぜそこまでやるのかと心配になる。

辛さ増しを求める客の要望に応えて、ここまで辛いものを作りあげるようになったのだ。その経緯を知って食べると、麻辣の辛さにヒーヒーしながら、じーんとくる。何としても器を綺麗に平らげて帰りたい!