WBC球への対応は進んでいるのか? 1失点の千賀は「ビビってる部分が…」
決め球を打たれタイムリーに、「中途半端なフォークが多かった」
3月の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けて宮崎で強化合宿を行っている野球日本代表「侍ジャパン」は25日、「2017 ジャパンオープニングマッチ」(KIRISHIMAサンマリン宮崎)でソフトバンクと対戦し、0-2で敗れた。打線が4安打無得点と沈黙する中、投手陣は上々の出来だったが、滑るとされるWBC球に依然として苦労している選手も。1失点を喫した千賀滉大投手も、その一人だ。
千賀は4回から2番手で登板すると、わずか10球でソフトバンクのチームメートを3者凡退に仕留める快投。しかし、2イニング目となった5回につかまった。1死から真砂に149キロの直球をライト前に運ばれ、二盗を許す。そして、続く塚田には内角低めへの132キロのフォークを拾われ、センター前に落とされた。これがソフトバンクの先制点となった。
千賀と言えば「お化けフォーク」と呼ばれる、強烈な落差の決め球が最大の武器。ただ、このボールは塚田がうまく打ったとは言え、やや甘かった。その原因を試合後に本人が明かした。
「腕を振って思い切り投げられないところが多い」
「引っ掛けないようにという意識が強くて、中途半端なフォークが多かった。(打たれたボールも)しっかりワンバウンドで投げられれば良かったですけど、引っ掛けるのをビビっている部分が多い」
変化量が大きくなるWBC球を引っ掛けて、暴投になるのを恐れた結果、タイムリーを許した。千賀は11月の親善試合で投げた際、落差のあるフォークが何度も暴投になるという場面があった。「腕を振って思い切り投げられないところが多い。しっかりフィットできるようにしたい」と話す。
もっとも「4回はしっかり投げられたので」と手応えも掴んだ。外国人打者に対して大きな武器となるフォークは、WBC本番でも侍ジャパンの運命を左右するボールになる可能性が高いだけに、対応を進めていきたいところだ。