【2017年J2クラブ分析・福岡】井原体制3年目、J1定着を見据え攻守の再構築を図る

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 昨季5年ぶりのJ1に挑んだが、得点数、失点数ともワースト、年間最下位でのJ2降格となった。今季は1年でのJ1復帰と、その後もJ1で戦い抜くためのベースを構築することがテーマになる。

 昇格と降格を経て、井原正巳監督にとって3年目のシーズン。15年は堅守速攻スタイルでJ1昇格を果たしたが、「(16年の)J1では失点数がワーストだったことからも、もう一度、組織だった守備を構築したい」と井原監督。GKは3人体制から4人体制へと厚みを増し、センターバックにはG大阪から岩下敬輔を補強した。コンパクトに守備組織を整えることと、後方からのビルドアップにより支配率を高め、効率的にゲームマネジメントできるかが進化のポイントになる。井原体制3年目ということもあり、選手たちの戦術理解度は高い。しかし、ピッチ上で危機察知できる選手が少なかったことから、昨季は「人数はそろっているのに失点する」ことも多かった。そういった点を、今季からキャプテンを任されたボランチの三門雄大や、新加入の岩下を中心に改善できれば、質の高い守備が構築できるだろう。

 一方、攻撃陣は神戸から石津大介がレンタルバックしたほか、ベテランの山瀬功治、日本での経験豊富なジウシーニョ、昨季韓国で活躍したウィリアン・ポッピなど個の突破力がある選手を補強した。FW松田力も加わり、これまでウェリントンに集中していたボールを散らし、攻撃のバリエーションを増やすことが課題になる。前線の起点は、確実に増えている印象があり、ボランチの三門を中心に、足元のパスワークで相手を崩せるかが注目ポイントだ。

 井原監督はJ1自動昇格の権利を勝ち取るために、今季の勝点目標を「84」に設定し、失点数は1試合1失点以下、得点数は年間70点と数値を掲げた。福岡は過去3回J1に昇格し、いずれも1年でJ2に降格しているが、今季は昇格するだけでなく、J1に定着するための重要なシーズンと位置付けられている。最下位でJ2に降格したにも関わらず、クラブが井原監督を続投させたのも、J1で戦うことを見据えたチーム作りを井原監督に託しているからだろう。福岡の未来が懸かったシーズンが幕を開ける。

文=新甫條利子