【2017年J2クラブ分析・湘南】「共走」のスローガンを掲げ“湘南スタイル”に磨きをかける

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「共走」と記されたスローガンに、今季のチームの姿勢が凝縮されている。

「みんながチームにしっかり入り、ともに走っていく気持ちを常に持ち続けること。そして『競争』、ポジション争いやプレーでの争い、ライバルチームとの争い、あるいは日本代表や世界に近づくために勝負すること。さらに『今日走』、今日走る、明日ではなく、いまやろうということ」。スローガンに込めた意味を、諜裁監督はそう語る。

 その言葉どおり「競争」は激しい。調篤弔蓮0からのスタート」と表現しているように、ポジションの再考を含め、選手個々の特長を改めて見つめ直している。野田隆之介、秋野央樹、杉岡大暉ら9人の選手が新たに加わったチームには、複数のポジションを担える選手も多い。

 メンバーはこれまで以上に流動的で、フォーメーションも3−4−2−1をベースにバリエーションの幅を広げながら、相手の特徴やゲーム戦術に応じてさまざまな組み合わせが試されることになりそうだ。31人それぞれの個性と、その組み合わせ今季も多彩な可能性を予感させる。「個性の組み合わせが新たなハーモニーとなって戦術を作る」。調篤弔慮斥佞蓮∨菁のように選手が入れ替わるチームを率いてきた指揮官の信念のようにも聞こえる。

 今季にかける意気込みは、Jクラブで唯一欧州(スペイン/マラガ)でキャンプを行ったことからもうかがえる。欧州中からさまざまなクラブがキャンプに集まるスペインで、チームはロシア1部のルビン・カザン、ロコモティフ・モスクワ、韓国1部の水原三星といったど強豪とトレーニングマッチを重ねた。海外クラブとの激しい球際の攻防を通して、選手たちはいい刺激を受け、課題を収穫を持ち帰った。

「湘南スタイル」と呼ばれる独自のサッカーは今季も健在だ。ハイプレスや攻守の素早い切り替え、人数をかけた積極的なアタック、尽きない走力など、チームとしての土台が変わることはないだろう。しかし、J1残留を果たせなかった昨季を踏まえれば、今季はより勝利という結果が必要になる。長いシーズン、タフなJ2での戦いは簡単ではないが、湘南らしい姿勢で一つひとつ乗り越えられるか。「共走」の信念をチーム全員で現実のものとできれば、自然と次のステージが見えてくるはずだ。

文=隈元大吾