【2017年J2クラブ分析・名古屋】「1年でのJ1返り咲き」は“風間スタイル”の確立がカギを握る

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 クラブ史上初のJ2降格に伴い、今オフは永井謙佑、川又堅碁ら主力クラスを始め、20名近い選手がチームを離れた。大きな転換期を迎えたクラブは、今季を“新たなスタートの年”と位置付けている。そのチーム再建が成功するかどうかは、風間八宏新監督の手腕に掛かっている。

 風間監督がコンセプトとする「楽しみながら、勝利を求めるサッカー」のポイントは2つある。「試合の主導権を握り続けること」と、「システムにとらわれず選手が自発的に動く」こと。顔ぶれが大きく変わった選手編成からは、その“風間スタイル”に適応できるポリバレントな人材の補強がテーマだったことが見て取れる。

 新戦力の小林裕紀、八反田康平、宮原和也はいずれもテクニックとサッカーセンスに特長のあるタイプ。そこにフェリペ・ガルシア、ワシントン、シャルレスのブラジル人トリオを加えたセンターラインは、質・量ともに充実している。そして攻撃の仕上げ役には佐藤寿人、玉田圭司と実績十分なベテランを獲得。総勢18名の新戦力を迎え入れ、「1年でのJ1復帰」という目標に向けて期待を抱かせる陣容が整った。

 新指揮官はチーム始動から複数のシステムを試しているものの、基本布陣としては3−4−3を採用する見込み。最終ラインは新加入のシャルレス、櫛引一紀を軸としつつ、ポリバレントな宮原和也、対人に強さを発揮するワシントンや大武峻らが、対戦相手や試合状況に応じて併用されることになりそうだ。

 チームの要となるセントラルMFには、テンポの良いパス配給を得意とする小林裕紀と八反田康平、加えて愛媛FCで左サイドを主戦場としていた内田健太の起用が有力視されている。負傷離脱中の田口泰士も、復帰すればスタメンを争うことになるだろう。

 中盤両サイドの人選は、攻撃スタイルを貫く“風間色”が最も顕著に現れている。3−4−3のシステムでは守備のタスクが重視されるポジションながら、指揮官は和泉竜司や杉森考起、青木亮太など攻撃的でスキルに優れたタイプの若手を配置。ゲームメイクや崩しの局面に積極的に関わる動きを求めている。

 前線は佐藤寿人を軸としながら、シモビッチや永井龍、押谷祐樹といった多彩なアタッカーを状況に応じて使い分ける算段だろう。序盤戦は試行錯誤が続くかもしれないが、個々の能力ではJ2屈指の陣容と言っていい。

 J2優勝を計算できる戦力はそろっている。しかし、風間新監督にとって「1年でのJ1返り咲き」というのは最低限のノルマのはずだ。着実に結果を残しながら、これまでのグランパスに最も欠けていた「確固たるスタイル」をどう構築していくのか。新しいスタートの1年は、結果だけでなく内容を問われるシーズンとなる。