切れ味鋭いドリブルで相手に脅威を与え続けた横浜F・マリノスMF齋藤学

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[2.25 J1第1節 横浜FM3-2浦和 日産]

 誰も止められない――。そう感じさせるほどの圧巻のパフォーマンスだった。横浜F・マリノスMF齋藤学はボールを受ければ、果敢にドリブルでボールを運んで幾度となく好機を生み出す。浦和レッズの選手たちも当然ケアしてくるが、齋藤の切れ味が上回り、守備網を切り裂き続けた。

 序盤からドリブルで好機を創出していた齋藤には、あるイメージができていた。「自分がドリブルをすると、2、3人が寄ってきてくれるので、他が少し空くのかなと思った」。その言葉どおり、前半13分には一気の加速でDF森脇良太を置き去りにすると、浦和守備陣の注意は自然と齋藤に向く。ゴール中央にフリーで走り込んだMFダビド・バブンスキーが齋藤からパスを呼び込み、左足のシュートで先制点を奪った。

 後半18分にはDF金井貢史のパスから完全に抜け出した齋藤自身がGK西川周作との1対1を迎えたもののストップされ、「あれは僕の判断ミス」と唇を噛んだ。さらに決定機を外した直後の同18分と同20分に浦和に立て続けに得点を許して逆転され、「メンタル的に僕もしんどかった」と振り返る。

 しかし、ここからチームは粘りを見せて後半41分にFWウーゴ・ヴィエイラのゴールで同点に追い付くと、『齋藤劇場』が再び幕を開けた。左サイドでボールを受けて圧力を掛け続けると、対面する森脇はズルズルと下がるしかなく、浦和の周囲の選手は助太刀に向かおうと齋藤との距離を詰める。すると中央の横浜FMの選手はフリーになる場面が多く、アディショナルタイムには齋藤のパスからヴィエイラが好機を迎え、さらに直後のプレーでも同じように左サイドからボールを運んだ齋藤のパスから決定機が生まれる。そして、背番号10が送ったラストパスを受けたMF前田直輝が、きっちりと蹴り込んで決勝ゴールが生まれた。

 浦和のペトロヴィッチ監督は「サイトーに負けたと言ってもいい。十分に注意を払ったがやられてしまった」と2得点を演出するだけでなく、常に脅威になり続けた齋藤のパフォーマンスに脱帽。齋藤は敵将の言葉に「僕は(後半18分の)1対1を止められたから」と複雑な表情を見せつつも、「うれしいけど、まだまだ成長したいです」とさらなる進化を誓った。

(取材・文 折戸岳彦)
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