20億人突破目前 ザッカーバーグが語るFBの「政治的使命」

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マーク・ザッカーバーグは常々、「よりオープンでつながりのある世界を実現する」という理念を語り、フェイスブックが社会のためになるサービスであることをアピールしている。しかし、偽ニュース対策が後手に回ったことで、同社への信頼が大きく揺らいでいる。

ザッカーバーグはこの事態に対処するため、偽ニュースの拡散を防ぐことを誓い、全米50州を訪問して人々と対話することを目標に掲げた。また、2月15日には英文で5800ワードにも及ぶマニフェストを発表した

ザッカーバーグが政治家や大統領への道を模索しているとの憶測も流れたが、本人は政治家には全く関心がないと否定している。彼の目的は、今年20億人突破が予想されるユーザーたちの信頼を回復することであり、公共の利益に適うプラットフォーム作りに真摯に取り組んでいくことをマニフェストの中で訴えている。

フェイスブックは、これまでユーザーの意見に耳を傾けてこなかった訳ではない。例えば、「CAU(Cares About Us)」という指標を導入し、ユーザーがどの程度「フェイスブックから大切にされているか」と感じているかを測定している。また、ユーザー満足度調査は数年前から実施しており、「最も改善が必要だと感じる機能は何か」や「どの程度個人情報を自分でコントロールできていると感じるか」といった質問をユーザーに投げかけている。

このように、フェイスブックはこれまで細心の注意を払ってきたが、自殺や銃発砲など暴力的な動画のライブ配信に対するポリシーや、ベトナム戦争の報道写真「ナパーム弾の少女」の削除について同社に批判が殺到した(同社はその後、写真の削除を撤回している)。

「信頼の回復」とさらなる前進

また、フィルターバブル(アルゴリズムが利用者の好みに合う情報のみを提示すること)によって偽ニュースが拡散し、結果としてフェイスブックがドナルド・トランプ政権の誕生を招く要因の一つとなったと同社を非難する声も多く挙がった。これに対し、フェイスブックは第3者機関と協力し、記事の真偽を確認したり、パブリッシャーと連携してユーザーのニュースリテラシーを向上する取り組みを開始した。

ザッカーバーグは、マニフェストの中でさらに踏み込みこんだ取り組みを掲げ、フェイスブックが将来的に社会的インフラになることを目指すと述べた。フェイスブックのミッションステートメントが変更されるのは、同社のIPO後初めてのことだ。

まず、ザッカーバーグは、ユーザーのつながりを強化することを今後の重要な事業目標に掲げるとしている。具体的には、ユーザー同士が支援し合う「有益な」フェイスブックグループの数を増やし、より多くのユーザーにグループへの参加を促したいとしている。

また、いじめ防止や災害被害の拡散防止など、安全な暮らしを守るためのツールの開発にこれまで以上に投資をすると明言している。

ザッカーバーグは、ユーザーがフェイスブックを通じて様々な社会問題に対するコンセンサスの形成に参画でき、結果としてコミュニティ・ガバナンスが向上すると主張する。「人々が望む世界を作るため社会インフラにフェイスブックを育てていきたい」と彼はマニフェストの最後に述べている。

ザッカーバーグがマニフェストに記した取り組みのいくつかは、大きな成果が期待できる。例えば、今後ユーザーはヌードや暴力といったセンシティブなコンテンツの表示を自分で設定できるようになる。設定をしない場合は、ユーザーの居住エリアで最も多く採用されている設定が適用される。

これまで、安否確認機能「セーフティ・チェック」や、行方不明の児童の捜索を支援する「アンバーアラート」などの機能が多くの人を助けた一方で、フェイスブック上でテロリストが武器を取引きしたり、一般ユーザーが銃器の売買を行っているのも事実だ。同社が目指す社会インフラになるために解決しなくてはならない課題は多い。

フェイスブックは、最新の年次リポートの中で次のように述べている。「ブランドに対する信頼の向上が、ユーザーやマーケター、デベロッパーの数を増やす上で重要な鍵となる。そのためには、機能的で革新的なプロダクトを提供し続ける必要がある」

ユーザーからの信頼低下は、フェイスブックにとって事業の根幹に関わる重大事だ。ザッカーバーグのマニフェストからは、現状に対する危機感と、ブランドの信頼回復に向けた強い覚悟がうかがえる。