ロータスが作るスポーツカーの真の伝統を受け継ぎ、精密なハンドリングで、高いパフォーマンスを実現」──と、ロータスが語るように、今回試乗したエヴォーラ400は一見、ピュアスポーツカーに思えますよね。

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最高出力406ps(298kw)のスーパーチャージャー付き3.5リッターV6エンジンをミッドシップに搭載し、従来モデルより22kg軽量化を実現。確かに高いパフォーマンスを誇るロータスのフラッグシップスポーツではあるのですが、エヴォーラ400は見た目やスペックではわからない真の姿を持っていました。

 

それはなにかというと「高い実用性」であり「同乗者に嫌われないスポーツカー」であること。とくに配偶者がいるスポーツカー好きにとって「同乗者に嫌われない」というのは、クルマ選びの大きなポイントになるのではないでしょうか。

「同乗者に嫌われない」というキーワードでエヴォーラ400を見ていきましょう。

まず大きなプラスポイントは乗り心地。ピュアスポーツカーとして考えたとき、エヴォーラ400の足まわりはラグジュアリーセダンと比べると確かに硬めはありますが、お尻に大きなショックが伝わることはあまりないでしょう。

 

またシートはセミバケットシート自体の座り心地も悪くありません。

とは言いつつも、サスペンションの剛性は高いようでダイレクト感溢れたハンドリングを可能としています。スポーツカー好きのドライバーにとっても魅力を感じることでしょう。

「このクルマって、乗ってて疲れるよね…」と同乗者に言われる可能性が少ないというメリットは家族持ちのスポーツカー選びでは大きな要素となります。

さらにエヴォーラ400が家族に受け入れられそうなポイントとして搭載しているエンジンがあげられます。

エヴォーラ400には先代アルファードなどに搭載されていたトヨタ製2GR-FE型V6エンジンが積まれていますが、「ノーマルモード」で走行している場合には極めて静かであるという特徴を持ちます。

「え? それってスポーツカーとしてどうなの??」との声もあるでしょうが、そこは心配ご無用。「スポーツモード」に変更するだけでラグジュアリー感漂っていたエンジン音が一変し、アクセルを緩めるたびに破裂音が車内に漂う戦闘モードに変わるのです。

普段運転することが少ない同乗者にとって、ドライバーのやる気を促すエンジン音は実際のところただのうるさいノイズ。隣に家族を乗せたとき、ジェントルなエンジン音で走行できるのは家族持ちにとってありがたいことは間違いありません。

その他、意外と乗り降りしやすかったり、(人が乗るにはツラいものの)リアシートの存在は家族持ちにとって嬉しいポイントとなります。

あと、オプションとなりますが6速ATを選択することもできますので、AT限定運転免許しか持っていない奥さんが(その気になれば)買い物に使えることも忘れてはいけません。

試乗する前まではありえないと思っていましたが、家族持ちにエヴォーラ400という選択はけっこうアリなのではないでしょうか。

 

■エヴォーラ400
全長:4,390mm
全幅:1,850mm
全高:1,240mm
車両重量:1,395kg (AT:1,407kg)
エンジン形式:V6+スーパーチャージャー
排気量:3,456cc
最高出力:406ps (298kw) / 7,000rpm

(テヅカツヨシ)

試乗しないとわからなかったロータス・エヴォーラ400の意外な実用性【家族持ち向けスポーツカーの選び方】(http://clicccar.com/2017/02/25/447581/)