20〜30代の独身女性の彼氏がいない確率が50%を超える今。いつの間にやら少数派になった彼氏持ちの女性の中には、彼氏はいるもののセカンドポジションのまま、いつまでたってもファースト(本命)になれない女性たちがいる。彼女たちが本命になれない原因は何なのでしょうか……。彼女たちの過去の恋愛から、その原因を探っていきます。

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今回お話を伺ったのは、都内でデザイナーとして働いている西田美香さん(仮名・32歳)。トップは茶髪、毛先が金髪といった個性的なロングヘアに、モノトーンでまとめられた服装といった、目を引くような個性的な格好をしている女性です。パッチリとした黒目がちな瞳はかわいい印象を抱き、男性受けしそうです。そんな彼女のセカンド気質はどこにあるのか――。生い立ちや、学生時代の恋愛から話を伺っていきます。

「出身は滋賀県で、両親と7つ上の兄との4人家族です。両親は共働きで、兄とも歳が離れていたので、鍵っ子でしたね。小さい頃から親のすすめで習い事をたくさんしていました。そろばん、習字、塾、バレエ、水泳と中学までは平日の学校終わりは、ほぼ習い事で潰れていました。これだけの習い事をしていると家がお金持ちの印象を持たれることが多いんですが、普通の家庭ですよ。両親とも仕事人間だったので、私の世話をする時間がなくて、でもしっかりと育ってもらいたくてそんな習い事の量になったのかもしれません」

初めて彼氏ができたのはいつですか?

「高校の3年生の時です。実は高校の友達には中学の時に彼氏がいたことになっています……。私は当時見た目が大人っぽくて、ませている感じの子で、過去に彼氏がいたと嘘をついちゃっていましたね。高校でできた友達は中学から彼氏がいるような子が多かったので、今まで誰とも付き合ったことがないなんて言えなかったんですよね……。私は典型的な高校デビューだったんです。

高校に入って、髪型などを意識するようになったら急に異性からちやほやされるようになったんですよ。初めての彼氏は、私がずっとカッコイイと騒いでいた他クラスの人です。彼は目立つグループの1人だったんですが、そのグループの中で彼だけはチャラチャラしていなくて、素朴な感じのする人でした。それに同性受けが良くて友達が多い人でそこが好きだったんですよね。彼と付き合ったきっかけは、友達のお節介から私が好きなことが彼の耳に入り、彼もまんざらじゃなかったみたいで、周りにくっつけられた感じでした。でも好きな人と付き合えたのは本当に嬉しかったですね。自分が好きな人が、自分のことを好きになるなんてないと思っていたので」

初彼との付き合いはなかなかうまくいかず、彼に合わせることに必死だったそうです。

「初めての彼氏とは一緒に帰ったり、休みの日に会ったりとドキドキしっぱなしでしたが、恋愛に慣れている女性を演出していた頃だったのでそれを隠すのに必死でしたね。常に一緒にいたかったんですが、付き合ったのは高校3年ということで受験だったんです。私はその頃からデザイナーに憧れていたので、専門学校への進学が決まっていました。でも彼は4大を志望していて、予備校に忙しい感じでした。私は会えないことにやや不満はあったんですが、嫌われたくなかったので平気なフリをしていました。彼とはケンカもできませんでしたね。彼はそんな不満も言わない私のことを、友達よりも優先してくれ、会える時はとても大切にしてくれました。そして無事に大阪の大学、専門学校へ進学しました。お互い実家から通っていたんですが、学校が違うことで今までのように会えなくなったからか、そこから彼の束縛がはじまりました」

最初こそ彼に合わせてものの、徐々に辛くなり彼との別れを決意したそうです。

「彼の束縛は、平日の学校だと家に帰る時間が分かった時、家に帰宅する時、友達と遊びに行くことの報告など連絡することの決まりがたくさんできて、それに休みの日は常に一緒にいないといけないのでアルバイトも入れられませんでした。

1回でも連絡を忘れると『俺はできるのになぜできない』と責められ続けました。そんな状態に半年ほどで疲れてきちゃって別れたいと話をしたもののわかってくれずで……。そんな生活が2年続いて、就職を機に東京へ逃げました。ストーカーにはならなかったんですが、最後のほうは泣いてすがってこられたりしていたので、私も精神的に参ってしまって……。親にはすべてを話して、東京に出ることを了承してもらいました。

東京に出てからは最初のほうこそせいせいしていたんですが、こんな自分のことを彼ほど好きになってくれる人なんていないんじゃないかと後悔が続きました。もうしばらく恋愛はいいと思っていたんです。そんな気持ちの中、職場で仲の良い男の先輩ができました。彼は既婚者だったこともあり、まったく異性を意識するなく仲良くできるので、居心地が良かったんです。でも気づいたら好きになっていました……」

常に連絡を取り合い、こんな自分のことを好きになってくれた彼を受け入れようとしたものの……。最悪の形で初めての恋は終わります

初彼との恋愛は、逃げるかたちで無理やりに終わらすしかできなかった……。自分を責めてしまった美香さん。恋愛をお休みしていたはずが、次に好きになったのは既婚者で……。〜その2〜に続きます。