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“スチームトースター”で人々に新たな体験をもらたしたバルミューダが、今度は独自アプローチの炊飯器『BALMUDA The Gohan』を発表した。独自アプローチで美味しさを追求した炊飯器。その美味しさのヒミツに迫る。

 



BALMUDA

BALMUDA The Gohan

実勢価格:4万4820円(2月下旬出荷予定)

炊飯容量:0.5〜3合 炊飯モード:白米(0.5〜3合)、白米早炊き(0.5〜3合)、玄米(0.5〜2合)、炊込(0.5〜2合)、おかゆ(0.5〜1合) サイズ:幅275×奥行き251×高さ194mm 質量:4kg

 

「炊飯器の常識」を全て疑って開発



約18カ月をかけて開発した同社初の炊飯器『BALMUDA The Gohan』。これを手がけた開発チームのひとりが唐澤明人さんだ。初めて調理家電を担当するということで、最初はゼロからのスタートだった。

「世の中に既にある方法で炊飯器を作っても同じ物になります。まずは、そういった常識を疑うところから始めました。例えば、既存の電気炊飯器で甘みの強さやおネバなどが注目されていますが、そういう味がイヤで、炊飯器を使わずに土鍋で炊いている方もいます。そこで、まずはお米を煮たり、レンジでチンしたりといろんな炊き方の実験をしました」



開発チーム 唐澤明人さん

コードレス電話機や無線機の開発をする会社から転職。同社では空調家電に携わっていたが、2016年より炊飯器の開発担当に。

 

その開発は釜飯専門店で白米を炊いてもらって味を検証したり、会社の一角での、液体窒素を使った冷凍ごはん作り(関連記事)など思わぬ方向にも向かった。しかし、開発は再び炊飯器作りに戻る。

「味の好みは十人十色です。大事にするところはどこかということを、開発中にはひたすら考えました。そして“人が何をもってお米を美味しいと思うか”についていろいろと調べているうち、食感が最も重要であると確信したんです」

さまざまな炊飯方式を試す中で、一番食感が良かったのが蒸す方法だった。そこからは蒸し方の追求が始まる。最初に試したのは、お湯をシャワーのように上から掛けながら蒸す方法。しかしそれではムラが大きい。そこで炊飯する器に管を挿し、外から蒸気を送る方法を試したところ、今度は美味しいご飯が炊けたのだという。このノウハウをもとに開発されたのが、蒸気で包み込むという『BALMUDA The Gohan』の炊飯方法だ。


炊飯時にお米を対流させない「蒸し炊き」の試作器。米粒が崩れず美味しさが逃げないというアプローチだ。

羽釜に水を張り、そこにお米の入った丼を入れて炊いたのが、この方式の最初の試作器だった。しかし、アイデアも目指す味も固まったものの、なかなか思うようには炊けなかったという。社長に商品化のOKをもらったのは、ラスト一週間の開発が終わった後のテストの、さらにその後に行った“泣きの一回”だったという。

「蒸気で炊くと、お米は粒感を残しながら中までしっかりと熱が入った状態になるんです。普通の炊飯器で水を少なくして炊いたような、ただ固いだけのごはんとは違う粒感が生み出されます」

こうして『BALMUDA The Gohan』は完成した。トースターと同じくスチームが決め手になったのは、あくまで偶然なのだ。


炊きたてのごはんをほぐすところ。しゃもじを入れた瞬間に、粒立ちの良さがわかる。

「2重釜構造」が蒸気の熱を作り出す!

『BALMUDA The Gohan』最大の特徴は2重釜構造を採用すること。外釜にセットした、200mlの水が蒸気となり、庫内に充満。内釜とご飯をしっかりと包み込むことで、ごはんを蒸し炊きにする仕組み。ごはんにゆっくりと熱が加わるのだ。


外釜が加熱されて、セットした200mlの水が水蒸気となり、蒸気が内釜全体を包み込む。この蒸気の熱で炊飯するというわけだ。


外釜を本体にセットした後、その中に内釜を装着する仕組み。水用のカップやお米用のマスも付属する。

 

文/コヤマタカヒロ 撮影/四宮義博

※『デジモノステーション』2017年3月号より抜粋