数年前に誕生日を祝ってもらったときの一枚。甘いものは大好きです!

写真拡大

『週刊プレイボーイ』本誌で連載中の「ライクの森」――。

報道情報番組『ユアタイム〜あなたの時間〜』(フジテレビ系)ではメインMCを務める人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。

今回のテーマはバレンタイン。実は誕生日が2月14日だという市川紗椰のバレンタインの苦い思い出とは…?

* * *

今週はバレンタインの話…というより、私の誕生日のお話です。なんと、私の誕生日って、2月14日なんです。これを言うと、みんな「覚えやすい日だねー」なんて言うんですが、まあ翌年には忘れられてます(笑)。バレンタインに気を取られるのか、はたまた私のイメージがあまりにもバレンタインからかけ離れているからか…。

とにかく、2月14日が誕生日でよかったと思うことがまったくなかったので、どうせなら2月29日に生まれて「われは4年に一度しか年を取らぬ」とか言ってみたかったです。

日本のバレンタインデーって、“好きな人に愛を告白する日”になっていますが、アメリカでは“愛する人たちとお祝いする日”です。スーパーに行くと、バレンタイン用にお菓子を詰める袋が売られていて、それを友達や家族と交換するんですよ。

アメリカの小学校では、バレンタインやハロウィンなどのホリデーには教室でささやかなお菓子会が開かれます。そのほかにも、誰かのお誕生日があると、その子が家から持ってきたお菓子でお祝いしてもらいます。

私が一番印象に残っているのは、小学校2年生の誕生日です。私も、みんなに配るためのお菓子を家から持っていきました。でも、ほかの家のお母さんたちが腕によりをかけて作ったバレンタインのお菓子に紛れてしまい、誰も私の誕生日に気づいてくれなかったんです。みんながわいわいお菓子を食べているなか、そのことを言い出せず、とても寂しい思いをしたことを覚えています…。

その日の放課後、仲のいい友達に「実は私の誕生日だったんだ」と打ち明けたら、翌年はクラスのみんなからお祝いをしてもらえました。ただ、サプライズで祝おうという計画だったみたいで、その日はみんな朝から私のことを無視。授業が終わってから一斉にお祝いされたんですが…子供だった私には無視された数時間がつらすぎて「もういいっ」とすねてしまったんです。今ふり返ると、私を喜ばせようと企画してくれた友達にすごく申し訳ないことをしました。

そんな苦い思い出もあるバレンタインデー。日本に来てからも、私は好きな人にチョコを渡したりしたことがありません。そもそも、アメリカの大人の男女はバラでもプレゼントするんじゃないかな。たぶん、バレンタインの贈り物=チョコが定番化しているのは日本だけですよね。

そんな日本のバレンタインで、私がひとつだけおかしいと思うことは“チョコの扱い”です。CMなんかを見てると、板チョコを溶かしてハート型のチョコレートを作ったりしてるじゃないですか。

あれ、意味があるんでしょうか? もともとおいしい日本の板チョコをわざわざ溶かして、もう一回固めて、もっとおいしくなったりするんでしょうか?? 私にとって永遠の謎です…。

ちなみに、誕生日がバレンタインデーなので、私はよくプレゼントとしてチョコレートをもらいます。でも正直に告白すると、実はあんまりチョコが好きじゃありません(苦笑)。申し訳ございませんが、プレゼントをいただけるなら、チョコ以外のほうがうれしいです(笑)。

●市川紗椰(いちかわ・さや)

1987年2月14日生まれ。アメリカと日本のハーフ。モデルとして活動するほか、報道情報番組『ユアタイム〜あなたの時間〜』(フジテレビ系)ではメインMCを務める。今年で30代に突入。いろんなものに手を出しすぎて迷走気味の趣味を見直したい