日本人と中国は、詩・詞において非常に古くから縁がある。隋や唐の時代に、中国文明が日本に伝わり、中国の詩歌も日本で人気になった。現在、日本では、小中学校の教科書で漢詩を学ぶほか、漢詩教室や漢詩講座もあちこちにある。

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日本人と中国は、詩・詞において非常に古くから縁がある。隋(581−618年)や唐(618−907年)の時代に、中国文明が日本に伝わり、中国の詩歌も日本で人気になった。そして、日本人も自ら「漢詩」を作るようになった。現在、日本では、小中学校の教科書で漢詩を学ぶほか、漢詩教室や漢詩講座もあちこちにある。さらに、漢詩の研究・普及ならびに交流を図る「全日本漢詩連盟」もあり、日本各地で漢詩大会を頻繁に開催している。(文:藍建中。参考消息網掲載)

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日本の一部の文学者にとって、和歌が母親、漢詩は父親のような存在。和歌で繊細な思いを表現し、漢詩で気持ちや志向を表現する。中国の古詩・詞は日本の文化に深く浸透している。

▼日本で一番人気の漢詩は「春望」
漢詩は一つの句が漢字五文字で構成される五言絶句で形成され、漢字わずか20文字にもかかわらず、そこには奥深い意味が込められている。この特徴により、日本でも人気が高い。李白や杜甫、王昌齢、白居易、蘇軾などの中国の有名な詩人は、日本でも広く知られている。現在、日本の各種漢詩書籍を見ると、中国最古の詩篇である「詩経」の詩歌のほか、「敕勒歌」、「七歩詩」なども載っている。中には中国人もあまり知らない漢詩が、日本では人気となっていることもある。

2004年10月、「月刊しにか」が実施した「漢詩国民投票」で最も人気だった漢詩は、杜甫の「春望」。2位は杜牧の「江南の春」、3位は王維の「元二の安西に使ひするを送る」、4位は孟浩然の「春暁」、5位は王之■(■はさんずいへんに奐)の「鸛鵲楼に登る」と李白の「静夜思」だった。

日本の漢詩の歴史も非常に長い。現存する最古の日本漢詩集は、751年に編集したとされる「懐風藻(かいふうそう)」だ。そして、日本にも、藤原宇合の「奉西海道節度使之作」や菅原道真の「山寺」など、有名な漢詩人が作った名作がたくさんあり、現在に至るまで伝わっている。しかし、「下手な詩」とも呼べないほどでたらめな漢詩もたくさんある。

▼小学校で学び 大学受験でも出題される漢文
日本の学校教育は漢詩の学習を非常に重視している。漢文や漢詩、日本の俳句、和歌などの古典文学は、国語教育で非常に重視されている。

11年4月から、文部科学省が「学習指導要領」を改訂したのに伴い、小学校でも古典文学を学ぶようになった。低学年では、伝説や神話などを学び、中学年では、簡単な短歌や俳句、慣用句、故事成語を学び、高学年では古文や漢文を学ぶ。

日本の漢詩教育は節をつけて朗読することを非常に重視し、漢詩の節の美しさが強調されている。和歌教室や漢詩教室は東京にもたくさんあり、小学校では漢詩は学ばないものの、多くの小学生もそこで漢詩を習っている。日本の小学校は下校時間が中国よりも早く、漢詩や和歌を朗読するクラブを開設して、関心のある小学生が学べるようにしている学校もある。

日本の大学受験でも漢文や漢詩の問題が出題されることがある。例えば、東京大学の16年の入学試験では、文科類と理科類の国語の試験で、蘇軾の漢文「寓居定恵院之東、雑花満、有海棠一株、土人不知貴也(仮住まいは定恵院の東、野生の花々が山に満ち、カイドウ《バラ科》が一株あり、土地の人はその美しさを分かっていない)」が出題された。

このように、日本の名門大学に合格したいなら、文系だろうが理系だろうが、漢文や漢詩を絶対に攻略しておかなければならない。

▼漢詩振興に努める組織の登場でブームが加速
学校教育のほか、日本では漢詩の振興に努める組織が数多くある。例えば、1968年に設立された日本吟剣詩舞振興会(にほんぎんけんしぶしんこうかい)は、吟詠、剣舞、詩舞の向上振興を目的に設立された。また、2003年3月に設立された全日本漢詩連盟も、日本における漢詩の研究・普及を図ることを目的にしている。同連盟の本部は東京にあり、全国に支部がある。そして、講座や講演会などを開催して、漢詩の作法や海外情報などを伝えている。

漢詩連盟は全国の漢詩愛好家を糾合し、日本における漢詩の研究・普及ならびに交流を図るほか、広く中国、アジア、欧米各国の同好者との親睦交流を図ることを目指している。石川忠久会長は、同連盟結成に関する趣意書の中で、「わが国の文化は漢詩抜きでは語ることができないと言っても過言ではない」としている。

同連盟は日本全国で漢詩大会を開催するほか、「全漢詩連会報」を発行している。その会員は03年の設立時の約600人から15年5月には2155人にまで増えた。そして、その努力が実り、日本ではにわかな漢詩ブームが起こり、漢詩を学ぶサイトが人気になり、時間に余裕のある高齢者だけでなく、若い人の間でも漢詩を創作する人が増加している。

インターネットの普及も漢詩の振興に拍車をかけている。同連盟の鈴木淳次理事は98年に漢詩サイト「桐山堂」を開設。毎年、300首以上の漢詩の投稿が届いている。鈴木理事は、サイト上で各作品の評価できる点や改善すべき点などを指摘し、引き続き創作に打ち込むよう投稿者を励ましている。

その他、近年は旧漢字を常用漢字体に改めて現代仮名遣いで漢詩を紹介する「平仄字典」や、二字熟語を豊富な句例とともに掲載する「漢詩詩語辞典」など、漢詩の参考書も次々に出版されている。

興味深いことに、漢詩の愛読者や創作者の多くは、実は中国語ができない。日本では早くに、漢文訓読という方法が考案された。この方法を通して、文語体中国語の文章である漢文にそのままの文体で、符号(返り点)、送り仮名などを付けることによって日本語の語順で読解できるようにしている。もちろん、漢詩で重視される発音上のルール平仄(ひょうそく)や同一または類似の韻をもった語を一定の箇所に用いる押韻(おういん)などは、丸暗記するしかない。(提供/人民網日本語版・編集KN)