良かれと思ってやっている?「逆効果アイメイク」
みなさんは、メイクでどのパーツに1番時間をかけますか? 数多くのお客様のカウンセリングをおこなってきたなかでも圧倒的に多かったのは、ダントツで“目周り”の部分。
眉は、なかなか好みの形に描くことができなかったり、左右が揃わないなど、時間を費やしてしまいがち。一方、目元は? というと、盛って盛って盛りまくるため、時間がかかるパーツの一つです。
しかし、ご存知ですか? ここ数年の“ナチュラルメイク”の傾向ということを。そのため、これまでの足し算メイクではなく引き算メイクが主流になりつつあるなかで、まだ盛りに盛っているという方もいるのでは!?
目元をパッチリきれいに見せたい気持ちはよくわかります。しかし、その良かれと思っているメイク、実は逆効果になっているかも? そこで、メイクアップアーティストであり美容家でもある筆者が、逆効果アイメイクについてご紹介します。
アイシャドウの色味テレビでよくみる「奥様大変身!」のような番組で、メイクさんが1つの目に対し、6つも7つもアイテムを加えてやっているのを目にしました。
……それって意味ある? それに、一般の方がみてマネできる? というのが筆者の個人的感想でした。アイシャドウもしかり、色ものというのは、色を重ねれば重ねるほど、濁りがでてきてしまい美しくありません。
そのため、アイシャドウを重ねるのであれば、せいぜい3色までが限界と考えましょう。具体的に言うと、アイホールにいれるハイライト的なカラー、そして、中間色、最後に、目のキワに入れる引き締めカラー。
これだけでも、しっかりと立体感は作りだすことができますし、アイメイクとして1番的確です。
色みを変えることも素敵ですが、色の濃淡で表現するのも、メイクテクの1つですよ!
囲み目メイクがまだお好き?アイラインで目を囲むと、目がパッチリして大きく見える!というのは、もはや都市伝説レベルのメイクテク。それは当然、何もしていない目元を、黒のハッキリしたカラーで縁取るわけですから、目立って当然。
このように、アイラインで上下囲んで“パッチリ見える”といっているのは、“目立って見える”の勘違いといっても過言ではありません。
メイクはそもそも、素材を引き立てるための演出にしかすぎません。顔にお絵描きをすることとは違うのです。しかも、囲み目アイラインは、男性目線からすると、“強烈な目”というような、ネガティブなイメージを持たれることが多いのが実情。
メイクは、錯覚を用いることで、無限の可能性が広がります。それは、ハイライトやシェーディングと同様で、一手間加えると、違ってみえるということを指しています。
しかし、囲み目アイラインは、目を大きく見せる錯覚というよりかは、どちらかというと、目を小さく見せる錯覚に近いのです。
白目の範囲をそこで囲んでしまうわけですから、人から見た白目の広がる感じの錯覚が失われますよね。アイラインの枠で閉じられてしまいますから。
ですから、どうしても目元を強調したい! という人は、下まぶたのまつげギリギリの部分にダークブラウン系のアイシャドウでぼかすレベルにとどめるのが吉です。
リキッドアイライナーなどでグルッと囲んでいる囲み目アイメイクは、一昔や二昔前のギャルメイクのような古臭さを彷彿とさせるので、トレンドに敏感な方は、いまいちどメイクの見直しをしましょうね!
【画像】
※ Masson / shutterstock
【筆者略歴】
黒木絵里
外資系化粧品メーカー2社を経て独立。現在「Eri Kuroki Make-up solution」代表として人材育成やメイクセミナー、コスメ・メイク監修などの美容コンサルティング業務をおこなっている。