[CP+2017]Vol.01 カメラの祭典CP+開催〜コンパクトデジタルカメラが独自に進化をはじめた年

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毎年恒例、カメラの祭典

毎年恒例となっているカメラと写真映像のワールドプレミアショーが、パシフィコ横浜において2017年2月23日から26日までの4日間開催されている。初日は朝から雨が降っていたものの、マスコミ関係者や招待者の来場が中心となっている午前中に開催されたプレミアタイムの間、すでに午後からの一般来場者が長蛇の列を作っていた。

会場以外でも中古カメラフェアや写真展、各種セミナーや講演などが開催されているが、今年からプロ動画のコーナーもこうした催しと同じ扱いで、ホテルでの開催となっていた。メイン会場を中心として、関連の展示やセミナーなどのイベントを周辺施設で開催し、この地域全体でCP+を盛り上げていこうという趣旨のようである。

ニコンがすでに発表していたカメラを2月に発売中止したり、キヤノンは医療や監視へ力を入れる方向だったり、老舗のカメラメーカーはコンパクトデジタルカメラからの脱却を図っているようである。もちろんその背景にはスマートフォンに搭載されたカメラの性能が向上し、静止画や動画も問題なく使え、情報通信機器であるスマートフォンの特長を生かしたSNSなどとの連携があるだろう。かつて写真はプリントして楽しむものだったが、現在ではネットやクラウドを利用して共有するものとなってきたということだろう。

「Hasselblad True Zoom」。モトローラ社のMoto Zというスマートフォン用のカメラアダプターといった位置づけのもの。中判カメラの老舗 Hasselbladとエレクトロニクス&通信のモトローラのコラボといったところかカメラユニットとスマートフォン本体は分離式で、Moto Zのアクセサリーとしてほかにもプロジェクターやバッテリー、スピーカー、背面カバーなどがあるモトローラMoto ZとMoto Z Playの2機種がHasselblad True Zoomに対応。また一般のスマートフォンアプリにも対応しているというセンサーは1/2.3インチ裏面照射型CMOSを搭載しており、レンズの焦点距離は35mm換算で25〜250mm、F3.5〜6.5の10倍光学ズーム。手ぶれ補正やストロボ、RAW記録機能なども搭載しているので、一般のコンパクトカメラと同じ感覚で使用可能 Hasselbladでは、ミラーレス中判デジタルカメラX1D-50cを出展。ちなみにフィルムカメラの業界では60mm幅の120フィルムを使用したカメラを中判、4×5以上のシートフィルムを使用するカメラを大判といっており、X1D-50はフィルム基準で、センサーのサイズは32.9mmx43.8mm。25枚/秒の動画撮影も可能

そうした中、コンパクトデジタルカメラは、スマートフォンでは対応できない領域へ向かっているようだ。大判センサーの搭載や360°撮影やアクションカメラなど、普通にきれいに撮れるというところからもっと機能的、性能的にマニアックな方向にシフトしている。ほかにもカメラ女子をターゲットにしたような、ファッションの一部としてアクセサリー的要素を盛り込んだ製品や手軽に自撮りできる機能を搭載したものも、中国や東南アジアなどで一定の人気があるようだ。

こうしたデザイン性を意識した製品は、80年代にすでに登場しており、フランスのファッションデザイナーのアンドレ・クレージュと共同開発した「ミノルタ af-e courreres」や、一眼レフカメラでもキヤノンがドイツの工業デザイナーのルイジ・コラーニとコラボレーションしたTシリーズ、ニコンはイタリアの工業デザイナーのジョルジェット・ジウジアーロとコラボレーションしたF3を皮切りに現在でもそのデザインコンセプトを踏襲している。

カシオ計算機EXILIM TRシリーズ。海外モデルで国内では販売されていないカシオ計算機EXILIM FR100L。顔検出と肌の質感にこだわった画像処理技術を搭載スマートアウトドアウォッチWSD-F10をコントローラーとしてEXILIM EX-FR100/FR200と組み合わせで、各種設定や撮影した静止画や動画の確認が可能。リストウォッチ、カメラともに防水仕様なので、アウトドアにおけるあらゆる撮影に対応するUHD対応の360°ムービーが撮影可能なニコン「KeyMission360」。これもアウトドア仕様となっており、防水30m、耐衝撃2m、耐寒-10℃、防塵構造のカメラ。リモコンやヘルメット搭載アダプターバイクなどのステーに固定するためのアダプターなどが用意されているインタニヤが扱っているVR撮影システムEntaniya Fisheye。GoProを改造してレンズ交換対応するもので、1カメラ、2カメラ、3カメラの3タイプがあり、カメラの組み合わせによってレンズ交換対応可能Entapano Fisheye交換レンズは現在3種類が用意されているMFT用250°魚眼レンズEntapano Fisheye250MFT(※Entaniya Fisheye 250 MFT?)。マイクロフォーサーズとEマウントがある。専用雲台により、簡単に360°VR用の撮影が行える前後にレンズを搭載することで全天球撮影に対応したケンコーが扱うカメラ。参考出品のため型番など詳細不明

携帯電話にカメラが内蔵されるようになった頃から、コンパクトデジタルカメラの行方が危惧されていたものの、その当時は圧倒的な性能差からすみわけがなされていた。しかしスマートフォンの時代になり、搭載されているカメラ性能も向上し、何よりスマートフォンというコンピューターに様々なアプリをインストールすることで、機能的にもコンパクトデジタルカメラでは追いつかないところまで来てしまったといえよう。

レンズも一時期、高倍率ズームを搭載したコンパクトデジタルカメラや高感度化を図った製品などがあったがミラーレス一眼と、スマートフォン用の各種レンズアダプターなどの登場で、コンパクトデジタルカメラでは中途半端な状況となってしまった。高級コンパクトデジカメはミラーレスへ、簡単高機能はスマートフォンへ吸収されたかっこうだ。

今回はこうした方向性から漏れた部分がコンパクトデジタルカメラとして存在をアピールし始めており、アクションカメラやVRといった部分で活路を見出し独自に進化を始めた年といえそうだ。


[CP+2017] Vol.02(近日公開)▶