【2017年J1クラブ分析押C大阪、3年ぶりJ1の舞台 新指揮官のもと“戦う集団”へ

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 昨季のJ1昇格プレーオフを制して、3年ぶりに挑むJ1の舞台。今季のセレッソ大阪のトピックは、まずは監督が交代したことだ。大熊清前監督に代わって指揮を執るのは、かつて2000年から3年間、C大阪で選手としてもプレーしたユン・ジョンファン監督。始動2日目から3部練習を取り入れるなど、新指揮官はクラブに新たな風をもたらした。その後も徹底したフィジカルトレーニングで選手を鍛えあげ、“戦う集団”へ変えようとしている。

 戦術面でまず手を付けたのは守備。タイキャンプ中盤には連日のように守備の練習が行われ、連動したプレス、相手の状態やボールの位置に応じたポジショニングなど、細かい指示が飛んだ。“規律ある組織的なサッカー”が今季のC大阪の代名詞にもなりそうだ。その一方で、クロスからシュートに至る攻撃練習では、「もっとアイディアはないのか」と選手にゲキを飛ばし、決められたパターン以外の自由な発想も奨励するなど、規律に縛り過ぎない懐の深さもユン・ジョンファン監督は兼ね備える。

 新加入選手の目玉となるのは、スペイン1部・セビージャから4年半ぶりにC大阪へ電撃復帰した清武弘嗣と、昨季まで2年連続でKリーグクラシックベストイレブンに輝いた実績を持つマテイ・ヨニッチ。前者については説明不要だろう。現在のヴァイッド・ハリルホジッチ監督が率いる日本代表でも攻撃の中心としてチームを引っ張る彼が、今季、Jリーグでどのようなプレーを見せるのか。C大阪ファンのみならず、広く注目が集まる。後者は、高さと強さを合わせ持った屈強なCB。キャンプでの練習試合でもその存在感を十分に発揮しており、昨季、J2で目立った失点の多さを解消する切り札として期待される。

 システムは、開幕前の練習試合ではオーソドックスな『4−4−2』が採用されてきたが、練習や紅白戦の中では、前線の形を変えることや、中盤の枚数を増やした形も試すなど、様々な引き出しも準備している様子が見受けられる。スタメン組、サブ組を問わず、共通の練習の中からチーム全体の底上げにも着手しており、ルヴァンカップを含め、長いシーズンのどこかで若手の台頭も見られるかも知れない。

 攻撃的で派手なチームカラーのイメージがあるC大阪だが、ユン・ジョンファン監督に率いられた今季のC大阪は、走ることや守備の基盤作りにも力を入れており、地に足のついた雰囲気の中から、開幕を迎える。

文=小田尚史