【2017年J1クラブ分析亜5季ぶりJ1の札幌 “エレベータークラブ”脱出への第一歩を踏み出す

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 北海道コンサドーレ札幌にとって、5度目の挑戦が始まる。1998年からJリーグ入会を果たすも、翌年から新たに創設されたJ2へ。2002年に昇格を果たすも、03年から再びJ2へ。08年は再昇格を果たしながら、またも1年でJ2へ。12年シーズンも、同様だった。札幌が、典型的なエレベータークラブだったのは否めない。13年に就任した野々村芳和社長はその打破を強く意識し、「お金がないなりに戦うクラブ」から、「J1に相応したお金を持ったクラブ」への転換を図ってきた。野々村社長体制の初年度である13年に10億円余りだった売り上げは、15年時点で15億円余りまで増加。16・17年はさらに伸びている見込みだ。

 とはいえ、まだまだJ1では下位グループの予算規模であるのも事実。野々村社長がかつて漏らした言葉を拝借すれば「予算と戦力は比例する」のだから、“残留”が現実的な目標となる。補強もビッグネームはいないものの、J1での実績を持った選手を堅実に整えた。MF兵藤慎剛を横浜FMから、MF横山知伸を大宮から獲得。さらに左利きの左アウトサイドとして田中雄大、右アウトサイドあるいはシャドーの枠で鳥栖MF早坂良太の補強にも成功した。横山、田中、そして早坂の3人は開幕戦での先発も有力だ。

 また、昨季は仙台で出場機会に恵まれなかったリオ五輪韓国代表の大型MFキム・ミンテの登用も大きい。エースFW都倉賢と競れるストライカー候補として、元日本代表候補のFW金園英学も加入し、川崎Fから期限付き移籍していたDF福森晃斗の完全移籍実現も地味ながら意味のある“補強”だった。キムも開幕・仙台戦(いきなり古巣との試合である)からボランチとして先発起用となりそうだ。

 堅牢な5-4-1のディフェンスをベースにした戦術面も大きな変更はない。昨季は25勝のうちの約半数が1−0の勝利だったことからも分かるように、しっかり守ってしぶとく勝つという方法論をJ1でも貫くのみだろう。ただ、四方田修平監督が「マイボールの時間を少しでも増やせるようにしたい」と語っていたように、押し込まれながらもボールを持てる時間を作れるかは一つのポイントとなる。そしてもちろん、J2で3年連続二桁ゴールを記録してきたエースFW都倉賢がJ1舞台でどこまで数字を残せるかも、チームの浮沈を左右することになる。

 エレベータークラブ脱出への第一歩と位置付けられる2017シーズン。雌伏の時間の中で北の大地に根付き、芽を出し、茎を伸ばしてきたクラブが花を咲かすことができるかどうか。5年ぶりのJ1舞台で、コンサドーレ札幌の戦いが始まる。