ハッカソンで生まれた技術を実演、小南千明/FEMM/galcidら6組が最新の音楽ライブ

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 <テクノロジーで音楽を拡張する>をテーマに新しい音楽表現にチャレンジするライブ・イベント【TECHS2@SuperDeluxe】が、2017年2月14日、東京・六本木SuperDeluxeにて開催となった。

【TECHS2@SuperDeluxe】写真

 企画者は音楽プロデューサーの山口哲一と浅田祐介。第2回目の開催となる今回は、小南千明、黒田有彩、FEMM、SpininGReen、galcid、・(point)の6組の出演アーティストがラインアップ。なお、本番日に先駆け、1月14日、15日には【ミュージシャンズハッカソンfor TECHS2】が事前開催。プログラマーやエンジニアといった技術者たちと出演ミュージシャンたちがそれぞれチームを組み、ステージで実演披露するエンターテック(エンターテインメント×テクノロジー)の開発を試みていた。実際に制作された5つのデモは、山口いわく「全て採用させていただきたい!」ほどのものだったとのこと。

 トップバッターは、宇宙飛行士を目指し、様々なフィールドで宇宙の魅力を発信すべく活動している黒田有彩。黒田は1曲目にチャック・ベリーの「ジョニー・B.グッド」をエレクトロニカ調でカバーすると、同曲が宇宙と所縁のある楽曲であることを説明。1977年に打ち上げられた無人宇宙探査機『ボイジャー』には、地球外生命体へのメッセージとして様々なジャンルの音が収録されており、そのロックンロールの代表として選ばれたのがこの「ジョニー・B.グッド」だったという。続く「アンタレス」ではこの日最初のエンターテック『SHAKIN'』を披露。観客の掲げるスマホのライトを感知して、それをバック・スクリーン上に光点として投影する仕組み。スクリーン上に映し出された満天の星空と光点が幻想的な雰囲気を見事に作り出していた。

 続いて登場した・(point)は、前回の【TECHS1@SuperDeluxe】でも好評を博したバレエ/エレクトロニック・ダンス・ミュージック・ユニット。ステージではAR技術を使用した演出を披露。アプリを事前にダウンロードしておくと、スマホ越しのAR映像とともにライブを楽しむことができる。雅楽の“抜頭”がモチーフとなっている「Bad Toe(Batou)」のパフォーマンス前には、スマホ画面越しのステージで楽曲に繋がる様々なAR映像が映し出されていた。

 3番手は、<Dance×Technolody×Fashion>をテーマに掲げる、平均身長171cm・平均股下82cmのモデル&ダンスグループSpinninGReen。1曲目「Re:Birth」から始まったパフォーマンスには、kinectとセンサーシューズが組み合わさった装置『DANCEOWND(仮称)』が使用された。腕の動きや足のタップに反応して様々な音が生成される仕組みとなっている。ダンスの振付がリアルタイムで音に変換されることで、スタイルを生かしたダンス・パフィーマンスのダイナミズムがさらに増すこととなった。さらに最後の曲「LazerRail」では、3Dで読み取ったダンスをスクリーン上に緑の光線としてヴィジュアライズする『インタラクティブ3Dライブペインティング』のパフォーマンスが披露された。

 意思を持つマネキンRiRiとLuLaからなるダンス&ラップ・デュオFEMMのステージでは、パフォーマンスがスタートする前から観客を楽しませる仕掛けが用意されていた。特設サイトで次々と出題される“ミッション”に答えていくと、1曲目に披露される曲が決定。「Kill The DJ」のパフォーマンスへ突入する。このゲーム性とインタラクティブ性の高い技術演出が、もともとFEMMの持っていた近未来的な世界観によくマッチしていた。

 5番手のインプロ・テクノ・ユニットgalcidのステージでは、左右に配置されたスピーカーにプロジェクション・マッピングが、バック・スクリーンには流動的に変化する映像が映し出され、客席側に設置されたLEDオブジェは様々な色を放ちながらパフォーマンスを視覚的に演出。これらは全てgalcidの即興パフォーマンスとリアルタイムで連動しているとのこと。アナログ機材を巧みに操るgalcidの“完全即興テクノ”スタイルと、最新のデジタル技術が用いられた演出の組み合わせは、まさしく<テクノロジーで音楽を拡張する>という本イベントのテーマらしいものとなった。

 トリを務めたのは、自らを“DAW女”と称し、3月5日にはミニアルバム『Quantize』の配信リリースも決まっているシンガー・ソングライター小南千明。ドラマーの坂入康仁とダンサーとして着物を着用した・(point)を引き連れてステージに現れた小南が、新曲「シェルター感」でライブをスタートさせると、ポップなエレクトロ・サウンドと力強い歌声が会場に響きわたる。手元の360度カメラで撮影された映像をスクリーン上に投影しながら、ラストは、黒田有彩のステージでも登場した『SHAKIN'』とともに「CLOSET」を披露し、ステージを締めくくった。

 第1回目に続き、新たな音楽の可能性をいくつも芽吹かせた音楽イベント【TECHS】。今後もさらなるチャレンジを予定しているという本プロジェクトに、引き続き注目していきたい。


◎イベント
【TECHS2@SuperDeluxe】
日程:2017年2月14日(火)
会場:六本木SuperDeluxe
出演:小南千明 / 黒田有彩 / FEMM / SpininGReen / galcid /・(point)
イベント情報:http://techs.media/techs2-info/