ショートでちょっと失敗して3位発進の羽生結弦が、4回転が2回転になったのを、驚異的な頭脳で後半のプログラム変更で演じながら成功させて、フリー1位を取った時点で、やっぱり羽生の逆転優勝を期待した観客は多かったはずだ。ところが、それに輪をかけて「わたし、失敗しないので」と、まるで「ドクターX」の大門未知子みたいな17歳の中国系アメリカ人、ネーサン・チェンが成功ジャンプで高得点をとって優勝した。ダッタン人もびっくりである。
ジャンプはうまいが表現力はイマイチだなとイチャモンがつけられないことはないが、あの4回転の成功率には脱帽である。えらいライバルが出てきたものだ。宇野昌磨のように小柄ではないから見栄えもするし、男臭い顔で、女性的というより中性的な羽生結弦より訴求力が強い。来年のオリンピックは激戦で見ものだ。
放送人は本田武史、高橋大輔らベストの布陣で、高橋は滑舌、話す内容ともになかなか上手かった。ヨーロッパ勢がいないとはいえハイレベルな4回転のオンパレード、そのうち5回転なんていうのが出てきたりして。まるでシルク・ド・ソレイユの氷版である。人類の進歩といえなくはないが、果たしてジャンプ合戦だけで進化と言えるのかいささか疑問ではある。気になったのはリンクサイドの広告の中で、日本のサラ金のデカい文字には違和感があった。スポンサーの制定に何らかの制限はつけられないのだろうか。(放送2017年2月19日19時〜)

黄蘭