大久保は鹿島との開幕戦でゴールを奪えるか。写真:田中研治

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 1月15日の新体制発表から1か月が経ったタイミングで、FC東京の選手数人に訊いてみた。「ピッチ内での“大久保効果”はありますか?」と。
 
 13〜15年シーズンにJ1得点王に輝くなど実績は抜群で、その実力は誰もが認めるところだけに、1月の沖縄キャンプ、さらに2月の宮崎キャンプでも大きな存在感を示したのだろうと思いきや、意外な答が返ってきた。「正直、よくわからないですね」と。訊いた選手数人がすべて、そう答えたのである。
 
 振り返れば、2月13日に行なわれたキックオフカンファレンスで大久保は次のように話していた。
 
「守りはできているので、あとは攻撃。ほとんど何もなっていないので、なんとも言えない。まずはやってみないと」
 
 ボランチの新戦力である郄萩も「僕は自分ひとりで崩すタイプではないので、連係を築くのはこれからですね」とコメントしていた。
 
 1月から2月に行なわれた練習試合は、1月22日の海邦銀行戦(10対0)、26日の大宮戦(4対3)、28日の沖縄SV戦(5対0)、2月8日のFCソウル戦(1対0)、9日の横浜戦(4対2)、12日の広島戦(0対0)、12日の九州大学選抜(2対1)と負けなしだったが、この結果からチーム作りは順調とは言い切れない。

 彼らの言葉から判断するかぎり、1月15日の始動日から1か月が経過した時点で、攻撃は模索段階。練習試合でゴールを重ねた大久保でさえ、手ごたえをまだ掴めてない状態なのである。

 果たして、鹿島との開幕戦(2月25日)までに、オフェンスの部分はどこまで仕上がっているのか。篠田監督の手腕が問われるところでもあるだろう。
 
 今季は大久保が大きな注目を集めているが、このベテランストライカーひとりの力で勝てるわけがない。キーマンはむしろ、ボランチ。前線と最終ラインをつなぐ仕事だけでなく、攻撃の局面でどれだけ前に出てチャンスメイクできるか。

 昨年までのFC東京はお世辞にも素晴らしい攻撃を仕掛けていたとは言えない。どちらかと言えばカウンターで、手数をかけずにゴール前に持ち込んでいた。

 エリア付近でボールをもらってこそ相手の脅威になれる大久保を生かすためにも、ボランチの役割は重要。逆に大久保が孤立するようだと……。FC東京は苦しい戦いを強いられることになる。