米アマゾン・ドットコムは2月21日、スティック型映像配信端末「Fire TV Stick」の新モデルを英国、ドイツ、日本で発売すると発表した。

最大の特徴は音声アシスタント

 その名称は英国とドイツ向けモデルが「Fire TV Stick with Alexa Voice Remote」、日本向けは「Fire TV Stick with Voice Remote」。

 前者の英国とドイツ向けはその名のとおり、Voice Remote(音声認識リモコン)でアマゾンの人工知能(AI)を使った音声アシスタントサービス「Alexa」が利用できる。後者の日本向けはそれができず、単に音声で映像コンテンツの検索が行える機能が提供される。

 これらはいずれもFire TV Stickの第2世代モデルで、アマゾンはこれを昨年10月に米国で先行発売している。

 Fire TV Stickは本体をテレビのHDMIポートに差し込んで、無線LANでインターネットに接続すると、ストリーミング映像などが手軽に楽しめるという機器だ。これにより、アマゾンの映像配信サービス「Amazon Video」のほか、有料の会員サービスである「Prime」向け映像見放題サービス「Prime Video」や、音楽聴き放題サービス「Prime Music」などが利用できる。

 そして第2世代モデルは前述のとおり、音声アシスタントサービス、Alexaが利用できる点が最大の特徴だ。

 利用者はリモコンのマイクボタンを押して話すだけで、音楽を流したり、ニュースや天気予報を聞いたり、電子書籍を朗読させたり、アマゾンでショッピングしたり、といったことができ、Alexaに対応した外部企業のサービスも利用できる。

 例えば、家電のスイッチを入れたり、銀行口座の残高を確認したり、宅配ピザを注文したり、配車サービスを依頼したりすることも可能だ。

Alexa対応機器を拡充

 残念ながら、Alexaは日本版がまだ登場しておらず、今回日本で発売されるFire TV Stickにも搭載されない。だが同社は、昨年からAlexaの海外展開を進めている。このことから近い将来、日本版もリリースされるのではないかとの観測が出ている。

 Alexaはもともと、2014年11月に米国で発売した円筒型スピーカー端末「Amazon Echo」で提供していたサービスだ。

 その後同社は、Echoの小型版「Echo Dot」と携帯版「Amazon Tap」を相次いで発売し、据え置き型映像配信端末「Fire TV」やタブレット端末「Fire HD 8」でもAlexaを利用できるようにした。

 このうち、EchoとEcho Dotについては昨年、英国とドイツで販売を開始している。今回はこの2カ国で利用できるAlexa対応機器を1つ増やしたというわけだ。

アマゾンの価格戦略

 興味深いのは、ここ最近顕著になってきたAlexa対応製品の低価格化だ。同社は昨年米国で、Echo Dotの第2世代モデルを発売したが、その際、価格を従来の89.99ドルから49.99ドル(約5700円)に引き下げた。Echo Dotでは6台セットと12台セットのパッケージも用意しており、それぞれ5台、10台分の価格で販売している。

 前述のとおり、同社は昨年10月に米国でFire TV Stickの第2世代モデルを発売したが、その際、価格を39.99ドル(約4500円)とし、2年前に発売した初代モデル(Alexa非対応)の39ドルとほぼ同じにした。

 今回、英国とドイツで発売するFire TV Stickの価格は、それぞれ39.99ポンドと39.99ユーロ(約5600円と約4800円)。アマゾンはこうして端末価格を安く設定し、Alexaをできるだけ多くの人に使ってもらいたいと考えている。

筆者:小久保 重信