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2016年度に1兆円に迫る営業利益を見込むNTTドコモ。好決算をかみ締めているのかと思いきや、そこには政官からの料金引き下げ圧力に、懸念を強める姿が垣間見える。(「週刊ダイヤモンド」編集部 中村正毅)

「好決算」「大幅増益」「絶好調」──。上場企業にとって業績の順調な拡大ほど喜ばしいことはないが、なぜかそうした賛辞にあふれた報道に対して、“真顔”で反応する企業がある。通信事業者(キャリア)最大手、NTTドコモだ。

「勝ってかぶとの緒を締めよ」と謙虚さを保ち、あらためて気を引き締めているかのようだが、実態はやや異なる。

 むしろ「あまり目立ちたくないから、そっとしておいてくれ」と言わんばかりの雰囲気が、ひしひしと伝わってくるのだ。

 1月末に発表した2016年4〜12月期の業績からも、その様子が見て取れる。同期間の連結営業利益は8423億円。前年同期に比べて、22.9%の大幅増益となっており、通期で9400億円を見込んでいる(図(1))。

 スマートフォンの普及によって、毎月の1人当たり通信料収入(ARPU)が、4450円(15年度は4170円)にまで堅調に伸びていることが増益要因の一つだが、もう一つ大きな要因がある。

 それは、減価償却方法の変更だ。ドコモは16年度から、減価償却の方法を「定率法」から「定額法」に変更している。それに伴って、実に1420億円も営業利益が増えているのだ(図(2))。

 減価償却とは、使用することで目減りしていく保有機器などの価値を、営業費用として計上する会計上の処理方法だ。

 例えば、1000万円の機器を10年で償却する場合、大まかに言えば、定率法なら帳簿価額の20〜30%超を毎年減算、定額法なら100万円を毎年減算するといった仕組みになっている。

 つまり、定額法の方が当初数年間の償却額が少なく済むため、営業費用が減り、そのぶん利益が増えるというわけだ。

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