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 北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏殺害事件が起きたあと、中国政府が北朝鮮からの石炭輸入を停止すると発表したが、米国の政治専門家は、中国側はもっと有力な制裁措置を避けていると指摘し、その理由を分析した。米通信社ブルームバーグが報じた。

 北朝鮮にとって最大の貿易相手国で同盟国の中国は、その命綱ともいえる。伝えられるところによると、中国の昨年の対北朝鮮輸出は、ライフラインを維持するための燃油や米などの物資を含めて28億ドルに達している。米シンクタンク・カトー研究所の報告書は、中国は北朝鮮のエネルギー需要の90%を供給していると記載した。

 石炭の輸入停止より、従来の援助を削減することは、北朝鮮に遥かに強いダメージを与える。いっぽうで、金正恩政権を延命させるため、中国政府は援助を見直す可能性は低いと、米有力シンクタンク、外交問題評議会のジョナサン・バークシャー・ミラー氏はブルームバーグの取材に答えた。

 また、両国は良好な関係にあるとも言えない。中国外交部の朝鮮半島担当部の元責任者・楊希雨氏は同取材に対し、習近平・国家主席が就任以来、一度も北朝鮮を訪問せず、金正恩氏との会談を拒んでいることは、すなわち(中国スタイルの)対北朝鮮の政治的圧力だと述べた。

 圧力をかけながら援助を続ける理由は何か。一部では、金正恩政権の消滅は中国政府に不利益をもたらすという見方がある。韓国や米国がかわりに同地域を支配する可能性が高いため、アジア太平洋地区における中国の影響力が弱められてしまうという。

(翻訳編集・叶子)